第115話 境ダンジョン2日目終了


 カクヨムコンの中間発表がありました。本作と短編の両方残っていました。

 去年までは応募数の1割未満の通過が今年は1割超えててやや多めですね。

 現代ファンタジー部門は去年は大賞も特別賞もなしという感じだったのですが今年はどうでしょうかね。

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 スチールアームハンマーは優秀だった。

 見た目はアレだけど。


 採掘もモンスターも《アームインパクト》で文字通りワンパン。


 通常スキルを連発すると〝魔力枯渇〟になるのだが。俺の場合魔素吸収能力も魔素貯蓄能力もその辺の探索者の数倍、いや数十倍はある。

 万が一枯渇しても《倉庫M》から補充できるようになった。そう、マスターランクが上がって《倉庫M》の機能もアップした。

 何気にダンジョン外でもスキルが使える事実。ただダンジョンの外と中では消費する魔力に差があるようだ。


 探索時間も採掘時間も若干の短縮はできたものの、十四階層への下り階段が見つからないまま十八時となり、曲がり角に〈マーキング〉をして、夕食のためマイボス部屋に戻る。


「お疲れ様ですにゃ。そこな駄犬はお役に立ってますかにゃ」


 タマが迎えてくれたが、置いていったことで鬱憤が溜まっているのか、ポチに八つ当たり気味だな。


「聞くまでもなかろうワン。なんならお前も我輩の爪で切り裂いてやろうかワン」

「はいはい、そこまで。いい加減にしないと怒るぞ」

「にゃっ!」

「ワンッ?」


 ガーディアンってこんなに感情豊かなのか? ダンジョンコアのアナウンスは無機的っていうかAIぽかったんだけど。


 夕食を済ました後、もうすこしだけ探索を続けることにして境ダンジョンに戻る。できれば下り階段を発見したいのだ。


 というわけで、二時間ほど探索を続けてなんとか下り階段を発見した。

 階段前には他の探索者はいなかった。


 夜営はマイボス部屋で寝ればいいと思っていたが、生狛の時のように人気のないダンジョンのようにはいかないことを失念していた。

 転移で他の探索者と鉢合わせする可能性も考え、今晩は十三階層の階段前で野営をすることにする。


 転移は普通に階段前の《階層転移》では鉢合わせする可能性がある。

〈マーキング〉を使えば人気のなところで転移できるものの、マーキングは一箇所しかできないんだよな。

 転移プレートは数の制限はないが、他人が来れる場所に設置するわけにはいかない。


 マスタースキルは普通のスキルと違って、熟練度でレベルアップはないからなあ。


 倉庫にしまっていた夜営道具を詰めたバックパックを取り出し、夜営準備をする。

 生狛ダンジョンではドロップ品の毛皮を敷いて、寝心地よくしていたが、石しか出ない境ダンジョンでは敷けるものがない。

 レジャーシートだけじゃあ寝心地悪すぎだな。この辺りも考えないと。

 他に人はいないが誰か来た時に視線を避けるため、ポップテントを購入することも考えよう。

 ケットににくるまり眠りにつく。今回はポチがケットの中に潜り込んできた。

 ポチ湯たんぽもあったかい。




 一時間ほど経ったが、あまり眠れない。レジャーシートだけじゃあ地面の冷たさがダイレクトに伝わってきて、ポチ湯たんぽだけじゃあ冷気を防げなかった。


「準備が甘かったな」

「眠れませんかワン」

「ああ、やっぱり戻ろう」


 夜営道具を片付けて場所を少し移動する。

 上り階段に通じる坑道ではなく、脇道にそれ見通しの悪い角に〈マーキング〉をする。そしてマイボス部屋へ転移した。


「おかえりなさいにゃ」

「ただいま、タマ」

「戻ったワン」

「お前は帰ってこなくてよかったのにゃ」

「はいはい、いいかげん仲良くしてくれないと怒る、ふあぁよ」


 眠けに大きな欠伸が出た。


「マスターはお疲れのようですワン」

「うん、今日は朝早くから探索を始めたからな」

「ならばごゆっくりお休みくださいにゃ」


 二匹が寝床に向かう俺の後ろをついてくる。

 ここでは防具を外せるから装備を順に外してベッドの横に置いていく。


「明日は七時おきにするか」


 電池式の目覚まし時計をセットして布団に潜り込むと、両脇にポチとタマも潜り込んできた。


 冷えた身体に暖かいポチとタマの温もりが伝わってきた。


「おやすみ、タマもポチも」

「はいですにゃ」

「ごゆっくり、お休みくださいワン」


 目を閉じるとすぐに眠気がやってきて思考が鈍る。

 眠りに落ちる寸前に猫用と犬用のシャンプーを買い物リストの一番上に持っていかねばと、鼻に漂う匂いがそう思わせた。


 

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【おまけ】大和の武器リスト

1、竹割鉈(実家の倉庫にあった)ダンジョンで使っていたことでコモン武器になっていた。

→アンゴーラブル戦で折れた→素材として粟嶋先輩に渡している。


2、刺身包丁(祖父のものを祖母が持ってきた)ダンジョンで使っていたことでレア武器になっていた。(85話ではコモンだったがその後ランクアップした)

→ブラックウルフ戦で折れた→素材として粟嶋先輩に渡している。


3、エレホーンソード(スタティックエレシープのドロップ品)エピック武器

→使用中(表向き装備)


4、マチェット(ホームセンターで購入)

→使用中(表向き装備)


5、ダブルファング(ブラックウルフのドロップ品)レジェンド武器

→使用中(隠し装備)


6、スチールアームハンマー(スチールゴーレムのドロップ品)レア武器

→使用中(表向き予備装備)

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