第9話面接みたいだな

(永田の女 視点)

皮膚科の診察を終えてから、市大病院内の喫茶店に向かうと、さっき私に声を掛けて来た男性が、一人の女性と一緒に私の事を待っていた。

私は彼等の元に駆け寄り頭を下げた。

簡単な自己紹介をしてから、椅子に座ると村田さんの隣の女性が口を開いた。

「…村田の妻の雪です…」

「Σ奥さんでしたか❕ご主人とは昨日知り合っただけなんです💦」


私は、思わずとんちんかんな事を言ってしまい、村田夫妻は大爆笑していた。

笑い終わり、村田さんが口を開く。

「…昨日は本当にありがとう🙇…おかげで助かったよ」

「いえ、私達も偶々あの場所にいただけなんで。」

「…理江ちゃん…って呼んでも❔…」

「Σはい❕」

「…早速なんだけど…理江ちゃんは今お仕事してるかな❔」

「…いえ、…結婚してるんで」

「奥さんなんだ❕じゃぁ専業主婦なの❔」

「…はい…」

(なんだか、面接みたいだな)

ぼんやりと、そんな事を考えていると、村田さんが突然、驚くような事を言い出した。

「…あのね❔…俺達…吉野町で探偵事務所を開いてるんだけど…一緒に働かないか❔…」

「はぁぁぁぁぁ❔」

私は思わず、大きな声をあげてしまった。

「Σ亮平さん❔何言ってるのよ」

「なんだよ、雪。あの探偵事務所は俺が所長だぜ❔」

「…あの❕私…結婚してるんで…」

「結婚なら、私もしてるわよ」

「それに、私…あの…左手に障害を持ってるし…」

「大丈夫❕危ない事はないし、障がい者って言っても言われなきゃ解らないよ」

私の意見は、悉く論破され、私達はそのまま村田探偵事務所に行く事になった。

面接みたいだな➡面接だった。


後書きと言う名の言い訳(笑)

こんな簡単に探偵ってなれない(笑)

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