第参人『嗤う鬼と殺人衝動空想論』
『なァなァ何で殺人衝動なんてのがあると思う?』
唐突に目の前の
「……どうして俺にそれを、訊くんです?」
「君が僕らの中でまだ常識を所有しているようだからさ。僕らにはもう一般常識なんてモノは通用しないからねェ?」
「……でしょうね。…抑圧する為の、
「
「んー……
「まァそうだね? けれど他人を理解するよりも自身を理解するのは容易くもある──だろう?」
俺の言葉の続きをするりと奪い取って目の前の彼は言う。至極、楽しそうに。血に濡れたその顔で、言う。
「苦しみはいつしか当たり前となるだろう。当たり前はいつしか苦しみとなるだろう。自然が四季を繰り返すが如く、人もまた、生と死を繰り返す。その意味は、真理は、
「……気になるなら、これからでも探せば良いじゃないですか。──少なくとも、貴方には仲間も
「……ッふ、あはッはッはッ! そうだね、その通り! やっぱり君は面白いなァ、飽きないよ本当に! あははッあはッは、はははははははははははははははははははははははッ!」
「……笑い過ぎでしょう…。」
ケラケラと彼は笑う。俺は彼が何を見て何を感じてきたのかは、知らないけど。彼を見てこう思うだろう…。
『哀しい
その称号の意味も、真意も、悟らせてはやらないけれど……──。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます