第6話 籠の中の鳥は私


今までそう思ってなかった


メディアや事件の中でのことだと


漠然と思っていたら


何のことはない


籠の中の鳥は私だった


もし機会があったなら外にという憧れはなく


昼間はなるだけうちの中で過ごすことで満足な


本当は私だってあそこも行きたいしここにも行きたいと


思ってたことは無意識に同伴者が必ず付き添いで


もし機会があったなら外へというのなら


いくらだって機会なんかあったのに


ふと気づいたら私が籠の中の鳥で


外に出るなんて気にはさらさらならなかった自分に気が付いて


軽く呆然としている別の自分に


また別の自分が少し驚いていたんだ


籠の中の鳥は私


逃げようともしない私


ある日ふと見た時には冷たくこときれていればそれでいい



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