第3話「ピンクの恋人」3

小(英文手紙)「(訳)奥様、お久しぶりでございます。旦那様がブラフ・シューペリア、私共がBMWのサイドカーでお供して、ローマで奥様にお会いしたあの休日のことは、小生、生涯忘れられない思い出でございます※

お嬢様も健やかに成長され、大学で学んでおられますが、活動拠点間の移動に不便を感じておられます。学生らしく二輪車なとお使い頂ければ快適になると思うのですが、お嬢さまは生活費を琴吹家から援助されることを拒んでおられます。

執事会では、なんとかお誕生日の贈り物などとしてお受けいただけないかと検討いたしましたが、旦那様にこのことが知れると、お嬢様を溺愛されておられるため、MotoGPの1チームくらい買ってしまいそうな騒ぎになることは必定。

今回の避暑でご一家が過ごされます先で、奥様からお嬢様に、贈り物として小さなスクーターでもプレゼントしていただけないでしょうか?

最近は援助だけでなく、旦那様からの贈り物もあまり高価なものは受け取られない徹底ぶりのお嬢様ですが、奥様からの贈り物なら拒まれないと思われます。

よろしくご検討のほど、伏してお願い申しあげます。

紬お嬢様付執事 斎藤」

◯手紙を読み終える紬母

母「なんて偶然!ちょうどいいのがあるわ!」


※紬の父が家督を継ぐ前にヨーロッパを放浪した旅の際、琴吹家の者が従うことは拒否された。しかし心配した斎藤親子は、退職届を出し、私費で密かにガードし続けた。しかしローマでお忍びで来ていた紬の母(王女)には、やはりSPが陰ながら従っていたので、乱闘となり、結局斎藤親子は紬の父に見つかってしまい、放浪の旅は終了。親子は復職する。

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