第2話「ピンクの恋人」2

紬「唯ちゃんも律ちゃんも、バイクいいなあ。私も欲しいけど…」

律「勉学に必要とか言って買ってもらっちゃえば?」

紬「それは嫌!学費や寮費も就職したら初任給で返すつもりだから」

(律)「初任給いくらもらう気だ?!いや琴吹家ならあるかもしれん」

唯「ムギちゃん卒業したら、家継ぐの?」

紬「たぶん、最後はそうなると思う。ひとり娘だからね。でも最初は海外で働きたい」

澪「海外って…アメリカとか?」

紬「ヨーロッパなら母の実家もあるし」

唯「そういえばムギちゃんのお母さんって、どんな人?」

紬「そうねえ…今は祖国で眠ってるわ」

◯三人、どんよりする。

唯「ごめんなさい!辛いこと思い出させて」

紬「何のこと?ほら時差があるから、向こうは夜かなって」

律「紛らわしい言い方、すんな(紬の頭をハリ扇で張る)」

紬「いたっ!でも幸せ!」

唯「でもなんでお母さんは日本にいないの?」

澪「唯バカ!家庭のじじょry!」

紬「母は小さな公国の領主だし、ファッション関係の会社もやってるしで、ほとんど日本にいないの。それでお父さんや私が会いに行くのよ」

律「何ちゅうグローバルセレブ!」

紬「まあ私の目から見ても、不思議な縁なのよね。まるでローマの休日みたい。父の放浪旅行の最中に、母がローマにお忍びで遊びに来て、恋に落ちたらしい」

律「凄いね!そんな話、本当にあるんだ。ひょっとして、ムギのお父さん、哲平って名前?」

紬「え?そうだけど…。何で知ってたの?」

律「いや、偶然偶然。忘れてくれ(なぜか赤面する)」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る