初恋ルームサービス
プラネタリウムの海から上がると杏子が中央のテーブルに座るように言うと、ディナーのルームサービスを頼んでくれていたのだ。
鋼、煉、鎧は大喜びして席に付く、やがて、客室係の方たちが運んで来てくれた。そして、豪勢な料理が順番にテーブルに並べられていく。
サーロインステーキ、お寿司、おにぎり、ローストビーフ、サンドイッチ、ハンバーガー、カレー、ビーフシチューさらには、子供が大好きなアイス、プリン、チョコレートケーキなどがずっしりと並べられた。
鎧が、よだれを垂らしてそのバイキングを見て言った。
「豪勢だ。こんなに豪勢なのは誕生日パーティーかテスト100点満点か、運動会で優勝しなければ食べれないよ」
鋼が、
「鎧、行儀が悪いよ」
「悪い悪い」
「まったく、美華さんや百合恵さんたちが御馳走してくれているのに悪いじゃないか」
煉も注意する。しかし、やはり、三つ子で仲良しなのか、対立して喧嘩せずお互いを認め合っている。
杏子が、
「さあ、みんな、どんどん食べましょう。楽しみましょう。特別な今夜を」
三人の王子たちは、彼女の一言で豪華絢爛なディナーを、光輝く財宝のようにまばゆい光を放つご馳走に箸を付けた。
(いただきます!!!!)
鎧は大好物のお寿司やうどん、ラーメンを頬張る。ステーキとローストビーフ、エビフライを鋼は杏子と楽しそうに分けて食べる。
煉はケーキやクッキー、きんつばなどの和洋折衷のスイーツヴィッフェを堪能する。
美華と百合恵もそれぞれの好物をおいしく食べる。
王子と女帝たちの初恋ルームサービスの時間は、このあと、さらにゴージャスになる。
杏子が、
「さあ、みんな今からメインイベントを始めるわよ」
そう言うと部屋の電気を消した。すると、天井がギィーと音を立て開いた。
「わあ~すげー」
「かっこいい」
「合体メカや秘密基地みたいだ」
王子たちは目の前で見られて感動していた。女帝たちはクスクスと無邪気にはしゃぐ彼らを笑う。
それから、頭上には満天の星空と天の川が、美しい巨大な満月が現れた。
「綺麗」
「彦星様と織姫様みたいだ」
星世界の夫婦が地上に暮らす彼らに特大な輝きをプレゼントしてくれたのだ。
「さあ、私達もなりましょう」
杏子、美華、百合恵は織姫様の天女のような姿になり、鋼、煉、鎧は小さな彦星になり、星世界で時間が許す限り踊り唄った。
そお、夢世界で誰よりも楽しく幸せに…夜に起こる恋の魔法が解けるまで…
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