「ごめんなさいと警察」

天使は言った。

「ごめんなさいで済むのなら、世界に警察は要らないよ」

「それが言えないのなら、猶更さ」

と頬杖をつく。


僕は言った。

「ごめんなさいを素直に言えるのなら、世界に警察は要らないよ」

「それで済んでしまうのだから、猶更だ」

と欠伸をしてみせる。


彼女は羽を広げて、つまらなさそうに飛んで行ってしまった。

僕は足元や手首に巻き付いた蔦を見て、やれやれ、と首を振った。

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