俺をアートブックにするな
こんな夢を見た。
日頃教養とは程遠い生活をしているはずの後輩が、何故か人のことを絵画で例えてくる。
機嫌のいい時の先輩はこの絵、冷ややかな目線を向けてくる先輩はこの絵。おっかない笑顔で問い詰めてくる先輩はこの絵、嬉しいのにそれを前面に出したがらず、その癖嬉しそうなのが親しい人間にはバレバレな先輩はこの絵と次々と挙げられて、いささか落ち着かない気分になる。
このがさつな後輩が何時の間にこんなに絵画に詳しくなったのかと思いながらも、こうして聞くと自分に随分と雑な扱いを受けているらしい後輩に少し同情し始める。
だが、趣味に没頭して楽しそうな先輩の絵、と『グランドジャット島の日曜日の午後』を示されたところでとうとう謎の気恥ずかしさに耐えきれなくなり、いい加減にしてくれと頭を抱えて思わず呻いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます