忘れもの
なくしてしまってから
その価値に気がついて
理由の知れぬ胸の
湿った風が吹き抜ける
ミント味のガムが
ブラックの珈琲が
シルバーの
背伸びじゃなくなって
わたしは大人になったのだ
大切でこそなくても
確かに貴重だったなにかを
どこかに置き忘れて
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