第10話  星辰信仰と古事記  3

 伊伎島いきのしま亦の名「天比登都柱あめひとつばしら」は「ケフェウス座」。

「伊」は、天地の間を調和する人。「伎」は、技を操る人。「天」は、上部。

「登」は、上にあがる、上にあげるの意。「比」は人が並ぶ様子。

「都」は、人々の集中する町。

「主」は、燭台の上にじっと立って燃える灯明を描いた象形。これに「木」を加えた「柱」はじっと立つ「木」を意味する。

 これらを総合すると、「君主」=「王」を意味すると考えられる。

「天球儀」の上部で立つ姿の「王」は、一人しかいない。



 津島つしま亦の名「天之狭手依比売あめのさでよりひめ」は「仔馬座」。

「津」は、水が少なく尽きようとしてたれる事を示し、湿った浅瀬などの意が派生した。

「之」は、足の進みゆくさま。「挟」は、脇から挟められる意。

「手」は、五本指のある手首を描いた象形文字。外回りを囲んで、その中に物を持つ意を含む。

「依」は、何かの影を頼りにして姿を隠す意。


「対馬」を「つしま」と読む。「天の川」から少し離れた場所にある「ぺガスス座」の横にいる、「馬の頭部だけ」の星座を当てる。



 佐度島さどのしまは「カシオペア座」。

「佐」は、助ける、補佐の意。

「度」は、物差し、目盛り。手尺で長さを測る「尺」と同系。


「北極星」を探すときに使う「ヘンナで染めた手」は、王を助ける妻の星座の別名。



 大倭豊秋津島おほやまとあきつしま亦の名「天御虚空豊秋津根別あまつみそらとよあきつねわけ」は「ぺガスス座」。

「倭」の字は、しなやかに穂を垂れた粟の姿をである「禾」と「女」と「人」。

「豊」は、穀物を△に高坏に載せたもの。

「秋」は、作物を火や太陽で乾かして収縮させる意、つまり収穫の時期。

「御」は、馬を穏やかに馴らして行かせることを示す。

「虚」は、窪んで中があいているさま。「空」は、突き抜けて穴が開き、中に何も無い事を示す。「根」は、ルーツ。


「トンボ」の子は、親に似ていない「鬼子おにご」です。そして「トンボ」の古語は「あきつ」という。

「メデューサの首」から生まれた「ペガサス」も、親に似ていない。語源かもしれないですね。

「へそ」から下が分けられて「王女」のものになった「秋の四辺形」形作る、「仔馬座」と兄弟である「対の馬」の星座をあてる。



 吉備児島きびのこじま亦の名「建日方別たけひかたわけ」は、「三角座」。

「吉」は、壺を一杯にして蓋をした姿を描いた象形文字で、内容の充実したこと。めでたいさま、良いという意。

「備」は、主役の事故を見越して用意しておく「控えの人」の意。

「児」は、まだ頭蓋の上部が合わさらな幼児の頭と、その下に人体の形を添えたものを描いたもの。小さく細かいの意を含む。

「方」は、左右に柄の張り出た「すき」を描いた象形文字。「⇄」のように左右に直線状に伸びる意を含む。「東↔西」、「南↔北」のような方向の意となり、方向や筋道の事から、方法の意を生じる。


「黄道十二星座」の一番目、太陽神アメンの使い「牡羊座」の上(↑)にあり、それに似た形した、小さい星座をあてる。



 小豆島あづきしま亦の名「大野手比売おほのでひめ」は「牡羊座」。

「小」は、中心の縦線の両脇に点々を付けて、棒を削って小さく細く削ぐさまを描いたもの。

「豆」は、供え物を乗せる「高坏」を描いた象形文字。じっと、一所に立つ意。のち、高坏の形をした植物「マメ」の意に転用される。

「大」は、ゆったりとした意。

「野」は、広く伸びた大地の意。


「プレアデスの両手」を形成する大きな星座「牡牛座」の背に乗るように描かれ、太陽神の子供を背に乗せた「金の羊」の伝承があるので。



 大島おほしま亦の名「大多麻流別おほたまるわけ」は「牡牛座」。

「麻」は、アサの茎を水につけてふやかし、こすって繊維を剥ぎ取り、さらにしなやかにする意。

「大」は、人が手足を広げた姿。

「多」は、「夕」または「肉(月)」を重ねて、たっぷりと存在することを示す。

「流」は、分散して長く伸び広がる意。

「別」は、関節を刀でバラバラにする意を描いたもの。


「オリオンが持つ衣」を剥ぎ取ろうとする「闘牛」のようであり、「天の海」に身を浸けるので、下半身が描かれていない。有する「プレアデス星団」を中心に、手が広がる星座だから。



 女島ひめしま亦の名「天一根あめひとつね」は「アンドロメダ座」。

「女」は、なよなよした身体つきの女性を描いたもの。

「一」は、1本の横線で「ひとつ」を示す。「ひとつ」の意の他に、全部をひとまとめにするなどの意を含む。

「根」は、物事の生じる元という意。

「哺乳類の生命の源」ともいえる「へそ(アルフェラッツ)」を所有する女性をあてる。



 知訶島ちかのしま亦の名「天之忍男あめのおしを」は「御者座」。

「知」は矢のように、真直ぐに物事の本質を言い当てる事を表す文字。

「訶」はカギ形に屈折する、曲がる意の「可」に「言」で、のど元に強い摩擦を起こして怒ること。

「忍」は粘り強く堪える心。「男」は「田+力」で、耕作や狩りに力を出す「おとこ」を示す。

「山羊を抱く姿」で描かれるこの人物は、アテネ第三代王「エリクトニウス」とされている。生まれつき足が不自由で、歩く事が出来なかったが、戦車を発明することによって戦功をあげ、その叡智と勇気とを称えられ「星座」になったとされている。



 両児島ふたごのしま亦の名「天両屋あめふたや」は「双子座」と「蟹座」。

「両」は、左右両方が対をなして平均した「はかり」を描いたもの。

「屋」は、上から覆い隠して出入りを止めた意を表す。屋根、家の事。

「双子座」は、名がそのままだし、「ポルックス」は「蟹目」と呼ぶ地方がある。

「蟹座」は、「飼葉桶と二頭のロバ」とみる場合があり、2つとも「黄道十二宮」、

太陽の「ハウス(家)」なので。

 


 大事忍男神おほことおしをのかみは「射手座」。

「大」は、人が手足を広げたさま。

「事」は、計算に用いる「竹の串」に「手」を組み合わせた会意文字。役人が竹棒を筒の中に立てる様を示す。人の司る所定の仕事や役目の意。

「弓矢」を手に持ち、狩りをする男の姿で描かれるので。



 石土毘古神いはつちびこのかみは「ペルセウス座」。

「石」は、崖の下に「□型のいし」のあるさまを描いたもの。

「土」は、土地の神や氏神の意。

「毘」は、田畑や地勢が連なる意。

「古」は、先祖の頭蓋の意。

 南下にある「鯨座」を「石」に変える「メデューサの頭部」を持つ姿で描かれている事と、「ヘルクレス座」の御先祖様にあたる人物の星座だから。



 石巣比売神いはすひめのかみは「鯨座」。

「巣」は、高い木の上の鳥の巣。高く浮いて見える意を含む。

 神の怒りに触れた「アンドロメダ」を暗殺するために派遣された海獣。たまたま通りかかった「ペルセウス」に「石」に変えられてしまい、憐れんだ神によって天にあげられたとされる。



 大戸日別神おほとひわけのかみは「ケンタウロス座」。

「門」は、二枚扉の「もん」を描いた象形で、「戸」はその「左半分」を取り、一枚扉の入り口を描いたもの。

 世界各地で「神聖な場所の門番」に、「対の神獣」が置かれている事から考えてみる。黄道星座「射手座」と「対」になり、「左側」で輝くので。



 天之吹男神あめのふきをのかみは「山羊座」。

「吹」は、人が身体を曲げて口から息を押し出すことを示す。

「パニック」の語源、ギリシャ神話の牧神は、「ほら貝」を吹き鳴らして神々に危機を知らせ、救済する。

「α星」付近で見られる「流星群」の見ごろは「七月末頃」。



 大屋毘古神おほやびこのかみは「小熊座」。

「毘」は、人体の「へそ」の意もある。

「古」は、冠飾りの付いた、先祖の頭蓋骨を描いた象形文字。

「大屋」は、大きな屋根、つまりは「天球の一番上」の意と取る。

「北極星」を有する、この星座が当てはまる。



 風木津別之忍男神かぜもつわけのをしおのかみは「大熊座」。

おおとり」と「風」の原字は同じ。大鳥が羽ばたいて揺れ動く様を示す。鳥は「風の使い」と考えられた。

「木」は、立ち木の形を描いたもの。

「η星アルカイド」の別名「ベナトナシュ」は、「棺台の娘たち」という意味である。葬儀の「泣き女」の事。古代エジプトでは「泣き女」は「トンビ」の姿で描かれる。周極星である「大熊座」のように、空に「クルリ」と輪を描く「トンビ」なら、旋風を起こす「風の神」に見えて。


 月の女神の侍女「カリスト」は、野山で狩りをするのが好きな女性だった。着飾らない快活さを「主神ゼウス」に気に入られてしまい、「正妻ヘラ」の怒りを買うことになる。男の子を産んだのち、醜いクマの姿に変えられてしまう。

 月日流れ、狩りの名手となった息子に命を狙われる。その瞬間、主神によって「親殺し」という大罪を阻止される。

「子供と引き離される事」に耐え忍んだ「カリスト」は、「クマに変えられた息子」と共に、北の空で輝く。

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