第10話  星辰信仰と古事記  1  

 「古事記」序には、古を明らかにして、風教道徳のすでに衰えているのを正し、典教が絶えようとするのを補い、偽りを削り真実を定めて後世に伝えようとする、天武天皇の意思によって企画されたものと、記されている。


 再び、真実を定めて後世に伝える努力が必要な時代になった。


 本居宣長が、太安万侶が記したものを読み解いた。

 私は、稗田阿礼が誦み習わしたものを読み解こう。


「茅の輪」を潜った、向こう側の世界へ、人々を導こう。

「アル・マゲスト」と「漢字辞典」。東西の叡智を用いて。

「名は体を表す」という言葉が、神々の姿を明らかにする。


 

「天地の初め」これらに記されし神々の意味するものは、「アーミラリ天球儀」。

ラテン語で「円」を意味する語が由来の、金属製のリング状の天球儀。


 姿を現さない「神」とは、現実の天空には見えないもの。


天之御中主神あめのみなかぬしのかみ」は「軸」。

「中」という漢字は真ん中を突き通す意を含み、「主」には一所にじっと止まる意がある。


高御産巣日神たかみむすひのかみ」は「天の北極(ナット)」。

神産巣日神かみむすひのかみ」は「天の南極(ナット)」。

 高い木の上の鳥の「巣」は高く浮いて見える意を含む。「日」は太陽の姿を描いた象形だが、「晶」の字は三つの星がきらめくさまを描いたもの。太陽も恒星なので「日」を「星」とする。

 地上から夜空を見れば、極を中心に星が産まれている様にみえるので。


宇摩志阿斯訶備比古遅神うましあしかびひこぢのかみ」は「支柱(土台を含む)」。

 水に浮く脂のように漂う国土から、葦の芽が萌え出る力が神となったもの。エジプトの「原初の丘」を想起させるので。

「宇」は大きくて丸い屋根の事。「摩」は側に触れるほど接近する意。「志」の解字は進みゆく足の形が変形したもの。「備」は主役の事故を見越して用意された控えの人の意。「比」は人が二人くっついて並んだことを示し「古」は干からびて固い昔の物の意。「遅」はじっと気長に待つの意。

 ヘラクレスに出し抜かれた「アトラス」が思い起こされる。永遠に天を担ぐ苦しみに耐えかねて、岩に変えてもらったらしい。


天之常立神あめのとこたちのかみ」は「北回帰線」。

国之常立神くにのとこたちのかみ」は「南回帰線」。

「之」は足の先が線から出て進み行く様を描いたもの。「常」は時間が長い、いつまでも長く続くの意。「国」は境界で囲んだ領域のこと。昔は諸侯の領地。「国」を「地」という意味でとらえると「天と地」は「上と下」ということに。


豊雲野神とよくもののかみ」は「二分経線」。

「豊」は高坏に穀物を山盛りに盛ったことを示す。「雲」と「野」の古代字「埜」の形から「牡羊座」と「天秤座」を想起する。麦秋(春)と秋、黄道上の昼夜平分点と天の北極と南極を通過する線を。



「 独神は各一代、次に生まれる神は二神で一代と云う」と、記されているので、それにしたがって考察する。


宇比地邇神うひぢにのかみ」と「妹須比智邇神いもすひぢにのかみ」は「至点経線」。

「比」は人がくっ付いて並んだ事を示す字。「邇」は近いところの意。「地」を構成する「也」は薄い体の伸びたサソリを描いた象形。「須」は顎鬚の垂れた老人を描いた象形。

 夏至点の星座「蟹座」と冬至点の星座「山羊座」の隣には、人の姿をした星座が並んでいる。


角杙神つのぐひのかみ」と「妹活杙神いもいくぐひのかみ」は「獣帯(黄道十二宮)」。

「杙」は「Y」型の棒杙形をした、ひもを付けて放つ矢のこと。のち、獲物をからめ捕る意となる。「活」は水がくびれて勢いよく流れる事。

「牡羊座」「牡牛座」と始まり、「水瓶座」「魚座」で終わるので。


意富斗能地神おほとのぢのかみ」と「妹大斗乃弁いもおほとのべのかみ」は「天の北極圏、南極圏のリング」。

「意」は口の中に物を含むさま。「能」は熊のように粘り強い力を備えて働く事を表す。「弁」の解字は被る冠の形に両手を加えたもの。「之」は「しんにょうに西」とも書き、部首「辵」は十字路の半分(ぎょうにんべん)に足を組み合わせたもの。

「北斗」が含まれる「大熊座」と「南の冠座」の側にある「南斗」、「射手座」に似た「南十字」含む「ケンタウロス座」はともに周極星である。


於母陀流神おもだるのかみ」と「妹阿夜訶志古泥神いもあやかしこねのかみ」は「天の赤道」。

「於」はそこにいる、じっと止まるの意。カラスの形の変形だとする説もある。「母」はものを生み出す根源。「陀」は斜めに伸びた地形。坂。蛇と同系。「流」は分散して長くのび広がる意を含む。「阿」は台地、岡。「夜」は「腋」の原字「亦」に「月」を組み合わせた字。昼を挟んで、その両脇にある時間のこと。「訶」は屈折する、曲がる意。「志」進みゆく足の形が変形したもの。「古」は先祖の頭蓋。「泥」は人と人が体を寄せてくっついた様を示す会意文字「尼」に「水」を組み合わせた字。

「天の赤道」付近で輝く二つの星座をあらわす。「海蛇座(ヒュドラ)」は女性名詞。根源神の伝承もある「ティアマト」の姿とされ「プレアデスの両手」の片方を有する「鯨座」。現在の鯨には存在しない前足は、「オリオン座」にくっつく「エリダヌス座」に浸している。


伊邪那岐神いざなきのかみ」と「妹伊邪那美神いもいざなみのかみ」は「昼(北極の位置から太陽に繋がるワイヤー)」と「夜(南極から月に繋がるワイヤー)」。

「伊」は天地の間を調和するさまを示す。「牙」は食い違った組木の噛みあったさまを描いた象形文字。「邪」は漢方医学で陰陽のバランスを失い、ひずんだこと。それによって生じる病気。「那」はだぶついた耳たぶのように豊なことを示す。

「岐」は細い小枝を手にした姿で「枝」の原字に「山」で、枝状の又に分かれた山、または細い山道の事。「美」は「羊」と「大」の組み合わせで、形の良い大きな羊を表す。

「セフィロトの樹」の始まりと終わりの数字の場所「ヘルクレス座+竜座」と「オリオン座+エリダヌス座」を想起させる。

「羊」は家畜ではなく「星」です。「天の羊」です。



 

 

 


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