第3話「結果が人間離れしていた」
俺は今、テスト結果が書き出されるホワイトボードの前で動揺し佇んでいる。
なぜなら、魔力量を図る為、魔力測定器を使用すれば魔力量が測定器の限界を超え爆発。
戦闘実技においては、向かい来る指導員を片手で否し、軽く握り拳をぶつければ、二メートル程吹っ飛んだ。
それ故、結果はダントツ学年一位で【人外】の2つ名と共に学校に向かい入れられることとなった。
この結果には、父も母も大きく口を開き、驚きの表情を作った。
家に帰ると、長男クライスが俺の成績を聞くや否や俺に抱きつき、喜びを表現した。
「さっすが俺の弟だ!!おっと、勘違いしないでくれよ。お前がもし、普通だったとしても俺の弟にはかわりないんだからな!だけど!本当に良かった!」
「まさか‥お前にそんな力が?」
「こらこら!アルは今日のテストで疲れてるんだよ。 アル。 晩御飯が出来上がるまでまだ時間があるから、一度部屋で休んで来な。出来たら呼びにいかすからね。」
母は俺に気遣いの言葉をかけ、俺はそのまま二階の自分の部屋へと向かった。
部屋に入るなり俺はベットにバフッ、と倒れ込む。
「どうしてこうなった?」
どういうことなんだぁぁぁぁあ!!!
何?いったい?
出来る?。って言ったって出来すぎでしょ!? 魔力測定器が壊れるってどんなけ!?
聞いた話だと、クライス兄さんが歴代一位だったって話だったけど、俺はその上に見事ランクインしたらしい。
戦闘実技なんか向かってくる人が止まって見えましたが?
ワザとやってて、「攻撃して来い。」的なものかと思ってちょっと触っただけなのに阿保みたいに飛んでいきましたよ!?
どうなってんの!?
俺は目立ちたく無いのに!!
コンコン!
不意に扉にノックが鳴る。
「アル!母さんがご飯できたって」
どうやらクライス兄さんが呼びに来てくれたようだ。
「あ、は、はぁーい」
俺の異世界生活が今、大きく変わろうとしていた。
〇〇〇〇〇〇
翌日。
テストの翌日は、五年生の卒業式。
つまり、クライス兄さん最後の学生イベントだ。
前世の卒業式と同じく、証書が渡され無事に終わる。
そして、帰り際、クライス兄さんが俺を呼び止める。
「アル。」
急な呼びかけに俺は振り返る。
「なんだい?」
「昨日、審査員の動きが止まって見えたって言ってたよね。」
「う、うん。でもたまたまそう見えたのかもしれないし、あれはマグレだと思う。」
「マグレは実力さ。 まぁ物は試しだ。僕と模擬戦をしてみ‥「#嫌だ__ヤダ__#。」‥って断るの早!!」
俺は即答で嫌と返事をした。
だが食い下がらない兄クライス。
「いやいや!でも!、アルはこれからAクラスになると思うから、少なからず魔物と戦う事だってあると思うんだよ。 アルはほら、本気で戦ったことないでしょ? だから自分がどれだけ出来るか知る為にもやって見る価値はあると思うんだよね。」
「えぇ~」
俺はあから様に嫌な表情を作る。
だが確かに、自分にどれだけ出来るかは知りたいのは一理ある。
魔力があったって身体能力があるったって、自分でも未だに信じられないのだから。
「ね、いいだろ?」
俺は暫く考えて、渋々オーケーをだした。
すると、たまたま通り掛かりの学生達が一気に騒ぎだす。
「おい!クライスが模擬戦するらしいぞ!!」
「え!?クライスが!?誰と?」
「あいつは確か今年から一年になる弟じゃねぇか?」
「えぇ!?弟と対決!?」
「そりゃすげぇ!」
ザワザワザワザワ!
おいおいおい。
なんだかえらいこっちゃ、なってきたぞ。
〇〇〇〇
後悔既に遅し。
俺は今、大勢の大歓声の中心でクライス兄さんと対面に立ち、かつてないほどの注目を浴びていた。
「まさか‥こんな日がくるなんてね。
アル、手加減はしないよ」
クライス兄さんはレイピアを片手に爽やかに笑顔を作る。
「手加減って、‥」
そもそも戦った経験すらないんですけど!!
っつか前世でも一方的に殴られたりはありましたが、ケンカすらしたこともございません!!
っつかつか!それ本気のレイピアですよね!? プスっと刺さるやつですよね!? 何爽やかに笑ってんですかぁぁ!!?バカなんですかぁ!!!?
冷や汗垂れる額を拭い、動揺する心を落ち着かせる俺を見てクライス兄さんが笑顔を向ける。
「緊張してるみたいだね。あっ、そう言えば真剣、始めてなんだっけ? 確かに斬られたら痛いけど、さっき友達つてに上位神父も呼んだから、怪我をしても直ぐに治せる。それに急所は外すから心配しないで大丈夫だよ。」
クライス兄さんは爽やかに親指を立てる。
アホかぁ!!!!何が大丈夫やねん!!youはバカですよぉ!! 親指へし折ったろかぁ!っつか何怪我する前提で神父呼んでんだよ!!
そんな見っとも無い心境を、公の場で晒すこともできず、審判の合図が響く。
「では、試合開始!!」
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更新遅めですが、ゆっくりと書いていきます。
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