思い出とともに異世界へ。
@kurotowa
第1話人に恨まれるのはお好きか?
暗い暗い闇底から誰かが吠えている、「苦しい」「痛い」だとか「憎む」「許さない」
気付くのが少し遅れたが理解したこれは恨みの言葉だ、この人物は誰かを恨んでいる。・・・のか?
その声を聴いているうちに脇腹あたりが痛くなってきた、この人物のつまらない恨み言を聞いている内にほんの少し限り同情しまい吐き気を催してしまったのか、と自己分析。
その声はどんどん近くなってくる、何かがおかしいと気づいた刹那吐き気は強まり痛みも強まる。
と、共に憎悪、憎悪憎悪・・・僕は誰かを恨んでいる?その次に痛み痛み痛み。僕はつぶやく
痛い
痛い
許さない
殺してやる
痛みは強くなるばかり。
涙も流れてきた。
いたい
いたい
し
暗闇の中ようやく気付いた、コイツは自分だ。
僕には夢がない、頭も良くない、運動もたいして出来ない。しかし顔の方はそこそこイケメンらしい
この17年の人生、女にはあまり困らないほうだったと言えるだろう。
男の友人は少な目・・・だったな。まあそんなことはどうだっていい、いや?そんなこともないか?
あの時男友達がいれば今頃ミナミちゃんとお近づきになれただろうか?いやいや・・・
突然ですまない、今の数学の授業は「自分の今までの人生を考える時間」だ。僕は玉に「何々を考える時間」と称して
自分の人生だったり行動だったりを振り返る。そして謎の後悔に襲われるという事を繰り返している。ふとその「考える時間」ついでに周りを見渡す
ひとまず目につくのは空席が多いことだ。この高校は僕でも余裕で入れるほどのおバカ高校で生徒の質も悪い。
ちょっとバカな高校くらいだと糞のようないじめがあったりガラの悪い生徒が幅を利かせていたりとかあるだろうが
ここまでバカ高校になってくるとガラの悪い生徒は「とても」ガラの悪い生徒にrankupしガラの悪い生徒の脳に数mg残っていた
「人並みに良い人生を送る」という誰しも持っている人生目標すら気付けず人に迷惑をかけ、ただただ人生をさまよう ドラクエで言うくさったしたいとなる
くさったしたい は人生のことを考えもしないので高校にすら来ず栄えある高校生活を学校で過ごさない。だから空席が多いのだ。
まあそんなことを思いながら教室を見渡してたらかわいい女の子が大きい身振り手振りで僕の目に入ろうとしてくる
金髪で17のくせにD寄りのCカップで可愛い、何よりも可愛い。そう、実はあれ僕の彼女なんすよwwwww
そして先生もその大きな身振り手振りに気付いたのか流石に注意する「滝本、なにやってる!」
そして滝本、先生の言葉に無言で舌打ち。そう、実はあれ僕の彼女なんすよ・・・
かわいいっちゃあ可愛いが少しアホだ態度もアレ、まあ授業中に教科書流し読みで妄想してる俺もかなりアレだが。
とりあえず僕は一般的に言う「人並みに幸せ」なのだと実感した。
学校にテロリストが来る妄想をやめてから何年たっただろうなみたいなことを考えているうちに授業が終わったこの後はもう帰りか、よし。
「滝本、帰るぞ」
と不躾に言う、学校では一応クール的なポジションなので許してほしい
「うん!」
と、とても嬉しそうにうなずく滝本
あ~やっぱこいつ可愛いわ、こんな可愛い彼女と付き合えるなんて僕はなんと特別な存在なのでしょう
お互い身にならないくだらない話をしつつされど二人の根元にあるのは確かな愛
僕はこの子と将来必ず結婚するものだと確信する。
滝本だけには自分のすべてを見せれた、滝本だけにはクールな振りしなくても愛し合えた、滝本だけには自分の愛をぶつけていいと思った。あとヴェルタースオリジナルを久しぶりに食べたくなってきた。
そんなことを考えながら人通りの少ない公園近くの路地にさりげなく入り滝本をさらりと軽く優しく押し倒す
壁ドンというやつだ、隣の部屋がうるさいから拳で壁を殴りつける方の壁ドンではないぞ?
あのロマンチックな方の奴だ、イケメンにしか許されない?残念僕はそこそこイケメンだ
「滝本・・・」
そう言いながらお互いの名前を呼びあう、いい感じだ、そろそろGOしちゃう?
・・・しかし残念、ちょうど滝本側にあった小さい草むらがザクザクと音を立てる。
恐らく「猫」という奴だ僕は大の猫好きなのだがさすがにこのタイミングはしょげそうになる
女の子は基本的に猫が好きという固定観念を僕は持っている。滝本も恐らくそうであるのだろう
ならこの後の反応は・・・
「う、うわー!猫かな?どれどれ?怖くないよー?」
だろうな、やれやれだ、まあこんなことをするチャンスは彼氏彼女の中だ、正直いくらでもある。
今回は君のモフモフした腹毛を撫で繰り回す刑で許してあげよう
ガササッ!
「・・・えっ?なに?コレ」
滝本が若干引いたように呟く。
草むらから出てきたのは猫でも犬でもイタチでもなく
「羽の生えた・・・人間・・・か?」
勝手に僕の口がそう呟いていた
のろけ話で忘れていた、これは僕達の絶望の始まりである。
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