Chapter0:Break into the dark

Qatia

0‐1:Wanna you hear my past?ー昔の話をしようー

「え? 俺が小さな頃の話? わかったよ。順を追って話すから」


 俺は、胸元に鼻先を押しつけてくる可愛らしい姿の弟子に目を向けた。

 艶のある長い毛皮は、俺の髪と少し似て波打っている。ヒトの姿だった時はまっすぐな夜色の髪をしていたけれど、今の姿も愛おしい。

 厚くて柔らかい耳をそっと撫でて、犬の姿に変わったジュジを抱きしめる。


「昔の話をしよう。お前だけが知れる、俺の秘密の話を……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る