私は…魔物だ…

@megu318

第1話 いつもの日常。

…………

暗い。何も見えない。何も聞こえない。ここはどこ?私は誰?

声も出ない。でも何か匂う。何の匂い?

鉄?

ピチャン…

紅葉「?」

音が聞こえる…

ピチャン…ピチャン…

何の音?

私は一歩前へ歩いた。

ぬる…

えっ?

足元を見る、でも何も見えない。

何?

しゃがんで手でさわる。ぬる…ぬる

温かい…でも何だか気持ち悪い

ペタペタ、何かが歩いてくる…

紅葉(いや、来ないで…)

何が来るのかはわからない。でもすごく嫌な感じがする。

ペタペタペタペ…止まった。

私の後ろで何かが。

ポン。肩に何かが触れる。

?「見つけた」

私は恐る恐る振り返る。

何も見えなかったのに、その何かははっきり見えた。

その瞬間、辺り一面が真っ赤な血だまりだった事がわかった。

紅葉(いや、離して!)

やはり、声は出ない。

その何かは、ニタリと笑い私に何かを言っている。




ピピピピピピピ

ガバッ!

紅葉「ハァハァハァ…夢?」

でもどこか現実味があった気がしてならなかった。

紅葉(はっきりは覚えてないけど…すごく嫌な夢を見た気がする…)

時計を見ると7時30分だった。

紅葉(そろそろ、準備しなきゃ…)

私の名前は今井 紅葉

小さいときに親を亡くし、親戚に引き取られたけど今は高校生だから独り暮らしをしている。

親がいないことに関しては、寂しくなんかない。

だって、あんまり覚えてないから…

ピンポーン

昶「紅葉ー、起きてるかー!」

私は玄関まで、走りドアを開けた。

紅葉「起きてるわよ!近所迷惑だから大きい声出さないで!」

昶「悪い悪い、それより早く着替えてこいよ。学校行くぞ!」

私は急いで制服に着替えて、昶と学校へ向かった。

和田 昶は私の幼なじみだ。

小さいときから一緒に遊んだりしている。

かな「紅葉、おはよう~」

亮「今井、はよう」

彼女は、友達の渡辺 かな

その隣にいるのが彼氏の山下 亮

この二人はいつも一緒にいる。

紅葉「おはよー」

かな「二人は今日も一緒に登校とは、熱いね~(笑)」

昶「うるせぇ!家が隣だから俺が優しさで起こしてやってるんだ!」

紅葉「それに、二人の方が毎日一緒で熱々カップルでしょ!」

かな「でしょ~。私たちラブラブなんだ~」

キーンコーンカーンコーン

亮「やべ!急ぐぞ!」

みんなで走って教室に向かう。


これが、いつもの日常

これからも変わることのない、平和な毎日が来ると思っていた…

でも、今日私の生活は地獄へと変わる…


昶「はぁー、やっと帰れるぜー」

紅葉「何ため息出してんのよ!昶はほとんど寝てたじゃない!」

そんな、他愛もない会話をしながら帰っていた。

紅葉(この時間になると、この道ほとんど人が通らないな~)

そんなことを思っていると、

女「キャーーー!」

前から、女性が走って来る。

女「た、たすけて!」

慌てた様子で私たちに、助けを求めてきた。

その後ろから、何か追いかけて来ている。

紅葉「何、あれ?」

昶「…、やばい…、逃げるぞ!紅葉!」

グイ!

昶は私の腕を引っ張って、走っていく。

紅葉「急にどうしたの!?それに、さっきこっちに向かってきてたあれは何!?」

私が見たのは、四つん這いの人間?だった。

私たちの後ろを先ほどの女性が必死に追いかけてきていた。

女性「イヤーー!」

女性の悲鳴が聞こえた、後ろを振り返るとそこには…

追いかけてきていた何かが、女性を食べていた。

紅葉「あっ……うっ!」

あまりにも悲惨な光景に気分が悪くなった。

昶「紅葉!見るな!前だけ見て、走れ!」

昶に言われ私は必死に走った。


私たちは無事に家に着いた。

紅葉「さっきのあれはなんだったの?」

昶「お前は気にしなくていい。じゃあな。」

昶は、そういうと自分の家に帰っていった。

わたしも自分の家に帰り、ご飯を食べることにした。

でも、食欲がわかない。

あんな、光景見たあとにご飯なんか食べれる訳がない…

紅葉「うっ!」

思い出してしまいまた、気分が悪くなった。

その日はすぐに寝ることにした。

紅葉(一体なんだったんだろう…でも、あの顔…夢で見たのと同じような…)

そのまま、私は眠りについた。



つづく…


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