畑の呼び声

風祭繍

まえがたり

 この物語は事実らしきものを基にしたフィクションです。


 『事実らしき』というのは私の実体験を記憶を基に再現し、それに大幅なアレンジや脚色を加え物語仕立てにしてお送りするというものです。


 現在、私の職場『星屑工房(仮名)』は様々な術や道具の開発に勤しみ、その道を極めんと歩みつつ、その力を世の中に気付かれないように使おうと試みています。


 その星屑工房では主にクラス(職業らしきもの)が3つあります。


 魔術師と錬金術師と竜騎士です。


 この3つである理由はよくわからないのです。現在のリーダーは錬金術師のトップという感じなんです。この工房を最初に立ち上げた方が偉大な魔法使いで、……あ、その方は今もご健在なんですが、工房の運営からは一歩引いてるんですね。で、その方の後を追おうとした現在のリーダー何ですが、「全く同じ道を行こうとするのはダメ」と言われたようで、錬金術師となったらしいです。


 何の違いがあるのか、私には正直わからないんです。ただ、その後自分達の得手不得手をその二つの名前に合わせて分け始めた我々でして。その二つに上手くマッチしない者達が竜騎士になったわけですね。


 ただ、明確な定義がないものでそれぞれが独自のクラスを立ち上げようとしてます。リーダーたちはむしろそれを推奨しています。


 こっそり聴いてしまったところなんですが、クラスを細分化し聞いたこともないような名前を使い、そのクラスに存在するのが一人だけの状況になれば「当代随一の〇〇」と名乗っても問題なく、「このクラスでのナンバーワンである」と言っても嘘ではないという話です。


 とりあえず、私もその流れに乗っかろうとしているわけです。


 現在の私は錬金術師にあたるのでしょう。その中で、……その、一番下のランクに位置すると思ってます。仲間内ではそのあたりに居る者を「小さきもの」と呼んでいまして、私はきっと「最も小さきもの」ということになるでしょうね。


 そんな私が修行の一環として記す幾つかの物語です。


(実は現在のリーダーの錬金術師さんも同じような課題に取り組んでまして、こっそりとその中にこれを紛れ込ませてしまおうかと思ってるんです。


 これは内緒ですよ。


 私、実は偉大な魔法使いさんとちょっとだけ親しいんです。そんな内緒の繋がりを何処かに残したくなってしまいましてね。


 その方からある名前を頂きました。ある時に思いついて名乗ったものを私が使ってもいいと言ってくれたんです。)


 お暇なときに読んでみてください。



小さき錬金術師 EE


 


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