いじめと恋

@yagamin

第1話

〜プロローグ〜

はじめは軽かったのだ。でもそれは次第にエスカレートしていく前触れなのである。葉月姫和、それが俺の本当の名前だ。だが去年の夏から俺はいじめを受けているせいでいつも菌よばわりだった。いじめを受けるきっかけは多分,

学校で一番可愛いと言われている女子の告白を振ったからろう。「嫉妬」と呼ばれるやつだ、正直なところなぜお俺が告られたのかわからないのだ。だが彼女は俺がいじめを受けだした時に……転校した


〜耐えること〜

今日もまた机が無くなっている、窓から下を見れば運動場の真ん中にチョークまみれの机が転がっていた。いつも道理にカバンと雑巾を持ち四階から運動場に向かい、まだ眠たい目を擦りながら机を拭きHRが始まるまでに教室に戻るのだった。

俺が戻った直後に担任が教室に入ってきた。俺の机は雑巾がけしたので凄く濡れているが担任は見て見ぬふりをするのですぐにHRが始まった、以前に担任にいじめを訴えかけたが気のせいだの一言で全く掛け合ってくれなかった。

「よし、HR始めるぞ〜」

担任の声が響き渡る、いつも道理HRを終えこれもまた恒例でいつも道理俺にチョークが飛んでくる。俺は抵抗することなくそのままチョークは額にクリーンヒットした。

「ナイショ〜w」

「次俺の番な、」

などと四、五人で話している。そして全員ぶんのチョーク投げをくらい授業が始まるまで嘲笑われた。抵抗はしない、抵抗しても面倒事が増えるだけだから。助けも頼まない、どうせ誰も助けに来ないのだし、今までにもさんざん助けの声を上げても誰も来てくれた例がないのだ、とうに諦めている。ここは耐えるしかない、それが一番平和なのだから。まぁこれを平和とは言わないのだが、でもこれが一番エスカレートが遅くなるのではないかとかんじていた

「あぁ、早くいじめの対象変わらんかな〜」

心中ではそうつぶやく。チャイムがなり教員が入ってくる、俺の額が何色をしててもこの教員は何も言わないこの教員も所詮奴らと同じなのだ、俺は額を赤くして一時間目を受けた。


〜出会いは突然〜

昼休みになると俺は居場所がないので屋上の隅で昼食を取り、基本誰もいない図書室に向かう。人目に触れず誰からも害とされない場所だ、だが図書室の扉を開けた時その空間には人がいた。その人は扉の音にびっくりしたのかこちらを見ている、その目には薄ら涙が浮かんでいた。

「聞いてました?」

「なにが?」

スタイルは程々でなかなか豊富に育っている。長く黒い髪を肩の下まで伸ばし肩より先を前に出して右の前髪に花の髪飾りをつけている。そんな綺麗な子に話しかけられとっさに答えてしまう。

「いえ……何でもないです。」

いや、何か言ったって自分で言ってるんだから何かあったんだろと心でツッコミを入れる、とりあえず昨日取りやすいように図書委員用の机の中に入れていた文庫本を取りしおりを挟んでいたページを開ける。そして一つだけ聞きたいことがあったので学校で久しぶりに会話をすることにした。

「なんでこんな誰も来ないような図書室に来てる何かあったのか?」

毎日来てるから分かるが昼休みにここを訪れるのは俺くらいだ、図書委員も週一しか来ない俺以外で来たのを見るのは実に久しぶりだった。

「誰もいないから来たんです。」

「どういうこと?」

「実は私今日から転校してきて書類をだしに来たのですが、前の学校ではいじめを受けていたのでここまで親切にされるのが嬉しくてつい涙がでてきたのでここに隠れてたんですよ。」

衝撃の事実を聞いてしまって若干困惑したがいじめられていた理由は大体分かる。スタイルもよく顔も可愛いのだ、他の女子からの嫉妬は多いはずだ。しかも女子からのいじめは男子よりもタチが悪い。きっとこの子は凄く辛い経験をしてきたのだろうと悟り彼女にこう言葉をかける。

「それは辛かったね、今日からここで安心して過ごしてね。」

「はい、ありがとうございます。」

一通り泣き止んだ彼女は笑顔を作り図書室を後にした。そろそろ昼休みが終わりそうなので俺も教室に戻ろうと読んでいた本をまた図書委員の机の中に隠す。続きはまた明日読むことにしようと思いながら俺も図書室を後にした。

教室に戻ると何故かクラス全体が騒がしかった周りから「おい、さっき職員室の前に立ってた女の子見たか?」、「天使が舞い降りた」俺はそれを聞いてだいたい予想できた。書類を渡す時にすれ違ったのだろう男子を中心にめちゃくちゃ盛り上がっていた。まぁうちの学校ではかなりの美少女なので無理もない、俺はふと思ったが彼女の名前を聞いていなかった、最も知る必要もないのだが……扉が開き教師が入ってきたちなみに午後の2時間は教室中が騒がしかった。

午後の授業を終え、俺は誰よりも先に教室を出る。校門で声をかけられた、いじめっ子かと思い振り向くとそこには予想もしなかった意外な人物が立っていて目を見開いた。

「私、あなたのことをずっと待ってました。さっきぶりですね。」

意味がわからなかった、なぜこんな美少女が校門で俺を待っているのか

「……何か用かな?」

「その、一緒に帰りませんか?あ、自己紹介がまだでしたねわたしは梅田 真子と言います。」

これがおれと真子の出会いだった。

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