20分ワンドロ詰め

海月∞

冷めたスマホ

僕の目の前には1台のスマホがあった。

それは、もう動かない、冷えきったスマホ。


「冷めたスマホ」


使い始めて2年以上経つこのスマホは、もう既にバッテリーは寿命間近で、使えばすぐに熱を帯び始める。

買い替えも考えたが、まだ使えるだろうと妙な貧乏性を発揮した自分はそのままそのスマホを使い続けていた。


ある雨の日、自分は傘を忘れたせいもあって、大雨に打たれながら帰路を急いだ。


荷物を置いて、服を脱ぎ、スマホを机の上に置いてシャワーを浴びた。


冷えた体を温め、いざスマホを使おうとして、異変に気づいた。



そのスマホはついに動くことは無かった。

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