ネタ思いつかないからエッセイ書くわ

ちびまるフォイ

こどものような大人の会話

「ねぇパパ。どうしてWEB版では大人気なのに、

 書籍化したとたんにAmazonレビューが大荒れするの?」


「それはね、WEB版は無料で公開されているし

 なにより小説サイトではほかの面白くない小説がたくさんあるからだよ」


「うーーん、難しいよ」


「たいして美人でもないのに、オタクサークルでもてはやされる姫。

 みたいな感じかな」


「なるほど」




「それじゃパパ。どうして異世界ものばかりが書かれるの?」


「それはね流行っているからだよ」


「それはわかるよぉ」


「流行っていると、そればかり書かれるし目につく物もそればかりになる。

 同じものばかりになると自然と影響されるんだ」


「うーーん。よくわからないよ」


「レストランのメニューが全部肉料理だったとしたら、

 結局肉料理を頼んでしまうでしょ?」


「そんなレストランには入らないけどね」




「ねぇパパ。どうして"小説作法!"とかの作品が多いの?」


「みんな評価が欲しいからだよ」


「わからないよパパ」


「評価される小説は一握りだからね。みんな人気になりたい。

 で、思いつくのは小説としての完成度を高めれば評価に結びつくと考える」


「えっと……?」


「オリンピック選手と同じ練習方法さえやれば、

 同じだけ足が速くなると考えるのと同じ理屈だよ」


「それじゃ結局才能なの?」


「小説はスポーツなどで言われる"才能"部分がアイデアだからね。

 どうしようもない部分がほぼないから大丈夫。

 あとは料理法だけ間違わなければいいんだ」


「料理法?」


「アイデアを生かせる場だよ。

 魅力的な世界観なのにキャラ同士の下ネタ会話ばかりだとつまらない。

 足が速いのに水泳に出るような間違いをしないことさ」


「ふーーん。パパってなんでも知っているんだね」





「そこまでわかっていて、どうしてパパの小説は人気がないの?」


「びぇぇぇん!! びぇぇぇぇん!!!

 だって、パパの小説はフツーに面白くないんだよぉーー!!」



大きな泣き声に母親がすっ飛んできた。



「もう! また泣いたのね!

 いい加減、子供にパパって甘えるのはやめてください!!」

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