ここから歩き出す④
ファンプリの音楽を聴きながら工場の武器を鞄に掻き入れていると、背後からphantomの女性が歩いて来た。
手を止めずに作業を続けていると、隣に立って一緒に作業を始める。
「私は色々な名があるが、一応選ぶと
「そうか……あ? 友希那の父親って女がか? お前人を馬鹿にするのも……」
「病気で体が女に変わったんだ、そこは友希那とティエオラに聞いてくれれば分かる。今は隠居みたいな感じだけど、まだまだやれるぞ」
「Phantom Princessって何者だよ、九条斑鳩って一世紀前の万能天才じゃねぇか。お前本当に本人なのか?」
「失礼だな君は、友希那は私に似てるんだぞ、ティエオラに似てる所もあるけどね。例えば目元の黒子とか、あと妹と弟が居るんだけど妹はティエオラ似かな。弟は私に似てるんだ、皆可愛過ぎて家出てくるのが嫌だったくらいだ」
「お前急に煩いな、マジで友希那の親かよ。どっちかと言えば私の親みたいだな、親なんて知らねえけど」
両手を頬に添えて悶える様にはしゃいでいる立派な大人の横腹を殴り、イラッと来たので取り敢えず黙らせる。
ゆっくりと立ち上がった斑鳩は誰かと通信を繋ぎ、真面目なトーンで返事をする。
製造されたばかりの銃を二丁手に取った斑鳩は走り出し、影のように現れたアルテマとどこかに消える。
銃で一杯になった鞄を背負って工場の外に走ると、警備ロボットの増員が大量にやって来る。
「おうおう、団体様か。いらっしゃいませー!」
「真面目にやれエイル」
「わーかってるって、そっちも頼んだぜ
「ったく、あんたと同僚してると面倒事に巻き込まれるから嫌なんだ」
「なんだよいっつも一番に乗ってくれるのに、本当は私の事が大好きなんだろ?」
「うーるーさーい! 真面目にやれ、マジぶっ飛ばすぞ。同僚が死ぬのは嬉しくないだけだ」
通信をぶち切られた愛佳の次に、ドレイクに通信を繋ぐ。
「よう、そっちはどうだ」
「順調過ぎて怖いくらいだ、銃も回収出来たし。子どもたちも解放して付いて来てる」
「おう、なら入口で合流するぞ。つか警備ロボット邪魔だっての!」
「ははは、頑張れや。愛佳と合流したから後はお前だけだ、早く来いよ」
舌打ちしてから通信をぶち切り、目の前の警備ロボットだけをぶちのめして突っ切る。
弾丸を無駄にも出来ない為、洋剣で硬い警備ロボットを貫く。
すぐ使いものにならなくなる洋剣を捨てて、HK416の空になったマガジンを変える。
だが、撃つ前にロボットは全て動きを止め、全て地面に倒れてバラバラになる。
「Hi叛乱者の皆さん、Phantom Princessの
そう言ってマップのデータが送られてきて、赤い旗が海の上に立てられていた。
不信感を抱きながらも、他に行く場所が無い為、そこに向かわざるを得ない。
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