第6話:石を求めて
第6話:石を求めて
トワは基本作業机にもたれかかりうつらうつらしていた。
とりあえず、
何よりも、まず閲覧できた
第一の目的であった便器、しかも洋式便器があったのだ。他にも今後、役に立ちそうな
徹夜のかいもあったというものだ。
しかし、眠気でやや不明瞭な意識のトワが弱々しく呟いた。
「
あれとは洋式便器の
ページのクラフト枠には石塊と思わしきものが配置されていた。しかも、単に枠を埋めているだけではなく、数字も書かれていた。つまり
「石かぁ。当然小石を集めてもだめだろうしなぁ……」
物憂げなトワの呟き。
トワのゲームの経験上、石材というのは珍しいものではない。ただ、どこで入手するか、だ。
ゲームのパターンでは、地面を深く掘ると土の層から石の層になる。あるいは地上に岩か採石場があるといったものだ。
そして地面を掘る場合、問題があった。
明かりである。
一番現実的なのは
木炭なら木材を燃やせばと思ったのだが、火をつける道具がない。また火を扱う以上、トラブル防止の為に火消し用の水もいるだろう。何よりも単に木材を燃やしたものが
他の明かりは
結局は石をどうにかして手に入れなければならない。
「はぁ、こうしてても始まらへんな」
パチィン。
気合一発、トワを両の頬を叩いて背筋を伸ばした。
少なくとも、ここに来た時よりは大幅に前進している事は確かなのだ。とにかく、行動しない事には何も変わらない事は間違いない。
「とりあえず、今日は予定通り食料になるものを探しにでよか」
夜の間に感じられた、得体の知れない気配はもう感じられない。やはり、あれは夜限定のようである。
「でもまぁ、一応これはもっていくか」
トワが手にしているのは剣であった。但し木製の。まぁ、木材を
やや重く、数回振り回したら息切れしそうなシロモノだが、普段は
「……ああ、ついでに」
基本作業机から離れようとして、トワはふと思いついてさらに
トワは深呼吸して、軽くストレッチしてから壁に手を添えた。
「『
作った出口からでてから、
泥棒が入るとも思えないが気分的な問題だ。
そしてトワは周囲を見渡し違和感を感じた。その正体はすぐにわかった。
「木材がなくなってるやん?」
昨日、
「誰かが全部持ってった……なわけはないから。もしかしたらアイテム化したものは時間経過で消滅すんの?」
もし、トワの予想が正解なら、
「
事前に準備した
しかし、現状は変えられない。なら不安があっても突き進むしかない。
「行くか」
自らに言い聞かせるように呟き、トワは歩きだした。
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