第13話 テキストファイルをひとつにくっつける!

 ※こちらもWindowsのみになります。あしからずご了承くださいませ。




 アウトラインプロセッサ的なヤツで『節』ごとにファイルを管理していると、細かく分かれてしまって公募に出されるときに不便ですよね?

かと言って、ひとつひとつコピペで貼り付けていたらとても大変です。

 なので、Windowsさんにお願いしちゃおう!というお話です。


 ネットで、『テキストファイル 結合 ソフト』で検索して便利なアプリを探しても良いのですが、Windowsの機能を使ってもけっこう簡単にできたりします。




 ・Windowsさんにくっつけてもらおう!



 まず、お好きな場所にファイルをくっつけるためのフォルダを作成します。

そのフォルダの中にもうひとつ、フォルダを作成します。こちらのフォルダの中にひとつにくっついたファイルができます。


 次に、テキストエディタ(メモ帳で大丈夫、というよりメモ帳が良いです)を開いて、



type *.txt > くっついたファイルができるフォルダ名\ひとつにくっついたファイル名.txt



 と入力して名前を付けて保存します。(『\』はキーボードの『¥』キーです)

 保存するときに、ファイルの名前の後ろに『.bat』と付けます。

『.txt』とついている場合は『.txt』を『.bat』に書き換えてください。


 また、保存するときは、『文字コード』を『ANSI』か『SJIS(SHIFT_JIS)』で保存してください。Windows標準の『メモ帳』なら文字コードが最初から『ANSI』なので安心ですね。

 文字コードの選び方は『メモ帳』などの大体のエディタは、『名前を付けて保存』するときにファイル名・ファイルの種類の下に『文字コード』とあると思います。その中から選んでください。


 …でも、『Atom』も『Brackets』も保存するときに文字コードが選べないんですよね。どちらも保存前に右下の方にある『UTF-8』とある表示をクリックすれば文字コードが選べるようになります。保存する前に変更してください。


 保存場所は、最初に作ったフォルダの中です。



 仮に、



  ・くっつけるためのフォルダを『くっつけます』

  ・くっついたファイルができるフォルダの名前を『くっついちゃった』

  ・くっついたファイルの名前を『くっついてるよ.txt』

  ・くっつけるための『.bat』のファイル名を『くっつけちゃうぞ!.bat』とします。



 すると、『くっつけちゃうぞ!.bat』の内容は



type *.txt > くっついちゃった\くっついてるよ.txt



 になります。


 使い方は、『くっつけます』フォルダの中に、『くっついちゃった』フォルダと『くっつけちゃうぞ!.bat』を置きます。

 そして、やはり『くっつけます』フォルダの中に結合したいテキストファイルをすべてぶち込みます。あ、念のためコピーしたものを使う方が安全かも。です。

 あとは『くっつけちゃうぞ!.bat』をダブルクリックすれば、フォルダの中にぶち込んだテキストファイルが『くっついちゃった』フォルダの中の『くっついてるよ.txt』に全部結合されます。

 『くっついてるよ.txt』は『くっつけちゃうぞ!.bat』を使うたびに上書きされてしまうので、必要なところに移動するか、名前を変えてしまいましょう。

 元になったファイルたちはもう必要ないので、元の場所に戻すなり、コピーなら削除するなりしてください。


 ツリービューもどきで表すと、



  ▼くっつけます(フォルダ)

    ・くっつけちゃうぞ!.bat

    ・0001.くっつけたいテキストファイル1

    ・0002.くっつけたいテキストファイル2

    ・0003.くっつけたいテキストファイル3

    ・0004.くっつけたいテキストファイル4

    ・0005.くっつけたいテキストファイル5

    ▼くっついちゃった(フォルダ)

      ・くっついてるよ.txt(『くっつけちゃうぞ!.bat』を実行するとできる)

       ※『くっつけちゃうぞ!.bat』を実行するたびに上書きされるので注意!



になります。


 一度準備してしまえば、あとは楽ちんです!




 ・くっつけるときは、ファイル名の頭に番号を振ってください!



 『アウトラインプロセッサ的なヤツ』のところで、ファイル名の頭に番号を振ってください。番号は頭に"0"をつけて桁数を揃えてください。とお願いしました。

 その理由ですが…


 例えば、ひとつのフォルダ(『章』)に10個のファイル(『節』)ある場合、”0”をつけないと結合する順番が、



     1くっつけたいテキストファイル1

     10.くっつけたいテキストファイル10

     2.くっつけたいテキストファイル2

     3.くっつけたいテキストファイル3

     4.くっつけたいテキストファイル4

     5.くっつけたいテキストファイル5

      ・

      ・

      ・



 となってしまします。


 先頭の文字が優先で判断されるので、"2"より"10"が先に来てしまいます。

"10"は"10"でなく、"1"の次に"0"が並んでる文字列って判断されてしまいます。

 でも、頭に"0"が振ってあれば、"02"は"0"が先頭なので"1"が先頭の10"より先だと判断されるのです。

頭に"0"を振って桁をそろえておけば、きちんと順番通りに結合されます。


 テキストファイルを『小説』全体ではなく『章』単位で結合する場合、頭に振る連番は『章』ごとでも構いません。



   ▼◯◯戦記(フォルダ)

     ▼序章ー夜明け(フォルダ)

       ・001.夜明け(テキストファイル。実際に書く部分)

     ▼第一章ー旅立ち(フォルダ)

       ・001.旅立ち1(テキストファイル。同上)

       ・002.旅立ち2(テキストファイル。同上)

       ・003.旅立ち3(テキストファイル。同上)

       ・004.旅立ち4(テキストファイル。同上)

       ・005.旅立ち5(テキストファイル。同上)

     ▼第二章ー出会い(フォルダ)

       ・001.出会い1(テキストファイル。同上)

       ・002.出会い2(テキストファイル。同上)

       ・003.出会い3(テキストファイル。同上)

       ・004.出会い4(テキストファイル。同上)

       ・005.出会い5(テキストファイル。同上)


                ・

                ・

                ・



 こちらの方が小説の管理はしやすいと思います。新しく『節』を増やしたい場合や『節』の順番を入れ替えたい場合、番号を振りなおすのが簡単です。

 ついでに各『章』フォルダの中に『くっつけちゃうぞ!.bat』と『くっついちゃった』フォルダを置いておけば便利かも知れないですね。



   ▼◯◯戦記(フォルダ)

     ▼序章ー夜明け(フォルダ)

       ・001.夜明け(テキストファイル。実際に書く部分)

     ▼第一章ー旅立ち(フォルダ)

       ・001.旅立ち1(テキストファイル。同上)

       ・002.旅立ち2(テキストファイル。同上)

       ・003.旅立ち3(テキストファイル。同上)

       ・004.旅立ち4(テキストファイル。同上)

       ・005.旅立ち5(テキストファイル。同上)

       ・くっつけちゃうぞ!.bat

       ▼くっついちゃった(フォルダ)

         ・くっついてるよ.txt(001.旅立ち1から005.旅立ち5までが結合される)

     ▼第二章ー出会い(フォルダ)

       ・001.出会い1(テキストファイル。同上)

       ・002.出会い2(テキストファイル。同上)

       ・003.出会い3(テキストファイル。同上)

       ・014.出会い4(テキストファイル。同上)

       ・015.出会い5(テキストファイル。同上)

       ・くっつけちゃうぞ!.bat

       ▼くっついちゃった(フォルダ)

         ・くっついてるよ.txt(001.出会い1から005.出会い5までが結合される)


                ・

                ・

                ・




 ・なぜなにWindowsさん。.batってなに?



 簡単に(雑に)、なぜ、『くっつけちゃうぞ!.bat』でファイルが結合されるのか?という説明をさせていただきます。

…本当に雑ですが(笑)ちなみに、『.bat』は『.cmd』でも大丈夫です。

 興味がなければ読み飛ばしてください。



 まず、『くっつけちゃうぞ!.bat(以下、バッチファイル)』を実行するだけでファイルが結合されるのか?ですが、バッチファイルの中にWindowsさんへのお願い(命令)が書かれているからです。

バッチファイルに書かれたお願いを、Windowsさんが一行ずつ順番に実行してくれるのです。…今回は一行しか書いてませんが。



 今回のお願いですが、



type *.txt > くっついちゃった\くっついてるよ.txt



 でしたよね。


順番に見ていきます。


 『type』はテキストファイルの中身を表示してね。という意味です。


『*.txt』の"*"は、ワイルドカードと呼ばれる便利で特殊な文字です。意味は『ゼロ文字以上の任意の長さを持つ文字列』です。なので、『*.txt』の意味は、ゼロ文字以上の文字の後ろに.txtとあるファイルになります。簡単にすると、『.txt』の拡張子が付くファイル、です。


  『type *.txt』は『くっつけます』フォルダの中にある、『.txt』と付くファイルの中身を順番に表示してね。という意味になります。(だいぶ意訳ですが)


 『>』は、出力先を変えてね。という意味です。リダイレクト記号と呼ばれます。

本来『type』は、コマンドプロンプトというところに中身を表示するものです。

しかし、『>』を使うことによって、中身を『くっついちゃったフォルダの中のくっついてるよ.txt』に書き出してね。となります。

 『>』は出力先に指定されたファイルがなければ新規作成してくれますが、存在する場合は上書きします。

なのでもともとあった同名のファイルは消えてしまします。


 なので、『type *.txt > くっついちゃった\くっついてるよ.txt』は『くっつけます』フォルダの中の『.txt』と付くファイルの中身を順番に『くっついちゃったフォルダの中のくっついてるよ.txt』に書き出してね。という意味になります。(さらにだいぶ意訳ですが))


 凄くざっくりした説明になってしましましたが、以上です。

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