チームトイレ掃除!
枝割ひきじ
プロローグ
キーンコーンカーンコーン
もう中学校生活3年目。始業式の次の日は学活があって係やら委員会を決める日。でも、それだけじゃない。
そう!掃除分担も決められる日。この日で私達の半年の運命が決まる。
掃除分担なんていつも早々に決まる。掃除分担なんてさっさと決めたいらしい。次の委員会が誰になるのか、戦いなんだ。クラスの皆からしたら委員会から決まる、半年変わらない席の方が緊張するんだろうな。
まあ、私は委員会に入らないから関係ないんだけど。
このクラスですごすのも2年目に入る。皆がどの掃除をしたいかなんて大体わかる。私のクラスでは掃除分担も半年に一回、前期と後期でしか変わらない。
私達みたいにそこの掃除に熱を持ってる人なんてそうそういないからきっと大丈夫。きっとなれる。
決まったばかりの議長が前に出る。武藤だ。前も推薦で議長になっていた。武藤は頭が良いから推薦された。推薦、という言葉を聞いて彼もやる気を持ったのだろう。今回は武藤自身から立候補した。
いよいよ掃除分担決めだ!書記のしらたま
がさらさらと黒板に掃除の分担を書き始める。丸っこくて、時折つぶれていて女子らしい字だ。
『トイレ掃除、女子でやりたい人ー』
武藤が言った。
誰も手を挙げない。私達は目を合わせ手を挙げた。
「トイレ掃除 女子 相川春香 金沢夢羽 森田響」
しらたまの丸っこい字で私達の名は黒板に記された。
やったぁ!今期もトイレ掃除になれた!私達3人はまた目を合わせ、微笑みを交わした。
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