赤い色は何の色か

香枝ゆき

第1話 プロローグ

 真夜中は、何時ごろをいうのだろう。

 人によって違うだろうけど、なぜかそんなことを考えていた。

 今暑いのか寒いのかワカラナイ。

 重力かなにかに引っ張られていて、地面に足がついているのに揺られているような感覚を覚える。

 なにかのにおいがするのもわかる。

 それが意識を突っついている。

 外は真っ暗で電気は街灯だけ、ぽつぽつと点いていた。

 庭には赤い花が咲き乱れて、風に揺られていた。


 昔から、赤い色が好きだった。

 特にくすんだ色が好きで、本音をいうとそのトーン以外の赤は嫌い。


 でも、やっぱり



 赤い色は嫌い。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る