幼馴染と異世界なんて!
@fiziio034
第1話 始まり
桜が咲き乱れる春、俺は学校の最寄りの駅からアニソンを聴きながら、桜が舞い散る川沿いで風を感じながら学校へ向かっていた。
その日は一年で一回、そして俺にとっては人生最後になるであろうクラス替えが行われる始業式の日である。
"まさかな、流石にそんなことは..."
そう思いながら学校へ向かっていった。
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学校に着き、昇降口に貼られるクラス表を見て自分のクラス、出席番号を確認し、教室へ向かう。三年生の教室は三階にあるので階段を昇っていく、と、なにやら騒がしい。教室へ入ると窓側の一つの机の回りに人溜まりが出来ている。学年一の天才美少女、佐倉美咲を囲って皆が彼女に話しかけている。
「美咲といっしょなんてうれしい!」
「佐倉さんといっしょなんて最高や!!」
なんて事が繰り広げられている。これは毎年起こる恒例行事である。
"はぁ、あいつとまた一緒かよ..."
と俺は心のなかで思い、ため息をついた。
そのまま俺は自分の席に着こうすると後ろから
「おっす!蓮!また一緒だな!」
と話しかけられた。
「うっす、また湊と一緒か」
この男子、高校1年2年と一緒で唯一の友達で親友の佐藤湊である。
「おい、あれ買ったか?」
「あれってなんだよ」
「あれはあれだよ、先週発売したギャルゲー!蓮が絶対買うってL
IMEで話してたやん!」
「あー、あれな!今日進級祝いの臨時収入入ったから、学校帰り秋葉でも寄って買って帰るかな」
「終わったら感想きかしてな!お前なら一日二日で終わんだろ!」
そう言い湊は別の所へ行った。
俺はHRが始まるまで暇潰しに最新の情報を携帯で見ていた。
-------キーンコーンカーンコーン-------
'' ガラガラっ''
「オーイお前ら席につけー」
と新しい担任が入って来た。
するとさっきまで佐倉美咲の回りにいた人たちや、他でたまってた人たちがみな席に着きだす。
たまたまふと佐倉美咲の方をみると、どことなく佐倉美咲もこちらをみていたような気がした。
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新学期の始まりはながったるい校長の話など、お決まりのパターンで過ぎていき、お昼前までには全ての日程が終わっていた。
放課後、俺はそのまま目当てのギャルゲーを買いに秋葉原へ一人で向かった。さすがオタクの聖地と呼ばれるだけあって、ものすごい量のオタクグッツ、ゲームなどがたくさんあり、まだ春休みの人もいるのか人が至るところにいた。
そして俺は目当てのギャルゲーがおいてあるショップへ入り、
「よし、これだこれ」
と目当ての物を手に取り、ついで情報収集も兼ねて他のゲームやグッツをみていた。するとあるコーナーで、あるゲームが目にはいった。
『Life in Another World 』
最近流行り出した異世界系のゲームである。俺はSNSでこのジャンルを見たことがあって、どんなものかと少し興味があった。
それでどんなものか見てみようとゲームに手を伸ばすと、学生服を着た女の人と手がぶつかった。
「あ、すみません。」
と謝った。どうやらその女の人もこの異世界のゲームを取ろうとしていたらしい。やはり今日はギャルゲーだけ買ってこのゲームは今度にしようとその場を去ろうとした。が、今の女の人どこかで見たような気がした。そこでふりかえって見てみるとそこに立っていたのは佐倉美咲であった。
思いもよらぬ遭遇に俺は
「え、美咲なんでこんなとこいんの?」
と聞いた。するとオドオドしながら彼女は
「うわー!!いや、その~~ね!たまたま??かな?」
「たまたまって、家反対側やん。美咲もゲーム買いに来たの?」
「いや、そのぉー」
「ソウデス。」ボソッ
実は佐倉美咲は、家が隣同士で小さいときから一緒にいる幼馴染である。小学生までは一緒に登校したりしていたが、中学入学を境に学校で少し話す程度なり、高校はただ家から近いからという理由で偶然同じになった。
驚くことに小、中、高2までと11年間クラスが一緒で、さらに今日のクラス替えで12年間一緒という記録を叩き出した。
美咲は真面目な性格で、中学、高校と生徒会に入り、テストも必ず学年で5番の内に入る天才、且つ学校の誰もが羨む美貌の持ち主である。
俺は美咲がゲームをしているのをあまり見たことがなく、やるとしても社交辞令的な感じだけでだった。
それ故に美咲がゲームショップ、ましてやオタクの聖地、秋葉原にいるのは意外であった。
「で、この異世界のゲーム買うの?」
「うん」
そう言い、美咲はそのゲームを手に取りレジへ向かった。
俺も手に持っていたギャルゲーを買い、美咲と久々に一緒に帰った。
家の最寄りからの帰り道、
「美咲ってゲームなんてやってたっけ?」
すると美咲は
「蓮っていつも佐藤くんとゲームの話学校でしてるじゃない?それで、一年前ぐらいからちょっとやってみようって思って、それでゲームやってたらはまっちゃったの。他にいいのないかなぁってネットで調べてたら、最近異世界物が流行ってるって見て買ってみようと思ったの」
オタクに少しだけ目覚めたのかとさっきまでは少し驚いていたが、まさか目覚めさせた原因は俺だったことは夢にも思っておらず衝撃を受け、俺は清楚なキャラの美咲をオタクへの道の橋渡しとなったことにすこしだけ罪悪感を感じながら帰路へつくのであった。
__________________________
家の前に着くと美咲が
「ねぇ、さっき買ったゲームうちでやっていかない?」
と言ってきた。
俺はギャルゲーを早くやり、湊に話そうとしていたが、
"たまにはいいか"
と思い、あがることにした。
「おばさんこんにちは。お邪魔します」
「あらいらっしゃい。うちにくるなんてひさしぶりねぇ」
軽い挨拶をした後、美咲の部屋へ向かった。
部屋に入ると美咲は既にゲームをセットしていた。
『Life in Another World』
このゲームはテレビでやるゲームで、二人で話ながらプレイをしているとら1時間、2時間とあっという間に過ぎていった。俺は異世界というジャンルを初めてプレイをしたが、
"こんなに面白いジャンルなんだ"
と気づいたら異世界へとどっぷりと漬かっていた。
ある程度ゲームが進んだ時、時間を見ると既に時計は19時を回っていた。
少し休憩がてら俺たちはお菓子などをつまみ、寝転がって今やっていたゲームの事を話していた。
「これすっごく面白いね!私異世界いってみたいかも!」
「ほんとな!魔法ぶっぱなしたりしてさ!まぁ流石にないだろうが笑」
など久しぶりに美咲と話をしたということもあって、有り得ない話で大いに盛り上がっていた。
そして話疲れ、ゲームの疲れで寝転がって休憩していると、
突然どこからか
-----ノゾミドオリ、ツレテイッテヤロウ-----
と渋い声が耳に入ってきた。
"なんだいまの?!"
そう思い、美咲の方とそれとなく見てみるとと美咲にも聞こえてたらしく、
"えっなに?"
となっていて、二人で動揺していた。
すると突然テレビが光出し、その光に二人は包まれ、引きずり込まれていった。そして俺たちは意識を失っていた。
-------Welcome to Another World------
そうどこからか聞こえてきて俺は目を覚ました。
''ヒューーーーーーーー''
風を感じ俺は違和感に気づく。
今いる場所はさっきまでいた美咲の部屋ではなく、どこか違う場所、壮大な草原の中に俺はいた。
「フファァァぁぁぁ?!?!」
と気づいたら俺は叫んでいた。
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