怪物と女の子

病の女の子がいた

苦しい病に悩んでいた

来る日もベットの上で過ごしている


怪物がやって来て治してやろうという

そのかわり私と結婚しろと怪物は言った

怪物はかつては人間のような姿をしていた



辛い病から解放される為に彼女は同意した

怪物が渡す薬を飲むと深い眠りについてしまった


目を覚ますと、病は治り、怪物はいなくなっていた

置き手紙が残されており、怪物の住処の場所が書かれていた



健康な体で外に出るのは気持ちいい

もともと活発で容姿も美しかった

多くの人が完治を祝った


しかし、怪物との約束、彼の妻にならなくてはいけない


周りの人間が教えてくれた


病は元々治るものだった

病の原因は怪物の呪いだったと

『だって、あんなに簡単に治るのはおかしい』と話す



彼女は怪物との約束を守らなかった


怪物は怒っただろうか?

私の家にやって来るだろうか?



怪物はやって来なかった



彼女は、怪物が気になっていた

彼女は、怪物の住まいに様子を見に行くことにした



山の向こう側、人里離れた所に住まいはある



窓から家の中を覗くと、怪物はベットでうなされていた


症状は、私が以前にかかっていた病であった



女の子の病は消えた訳ではなかった

怪物の体の中に移っただけであった


怪物には、人の病を自分の体に移す力があった

今でこそ怪物であったが、かつては人であった


歩けない男と片足を交換した

子どもが産めないと泣く女から大きなコブをもらった

いつの間にか、怪物のような姿になり周りからは人はいなくなった


女の子は怪物の家に入ると

『あなたが好きだ』と言った


怪物は笑った

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