パン職人選手権 決勝 ーアンパンー
『さあパン職人選手権はいよいよ大詰めです』
『決勝はアンパン一本勝負』
『最初に紹介するのは
月見ベーカリーの月見秀太が作ったパン
なんと真っ白いあんパンです』
『どうなっているんだ、こんなパンは見た事ないぞ』
『いえ、昔、一度だけ聞いたことがあります
白いパンの話、そう小麦粉ではなく米粉を使ったパン
これは、米粉アンパンだ』
米の風味と甘いあんはよく合うため
審査員に好評であった
『優勝は、月見ベーカリーで決まりだな』
続きまして、日乃出ベーカリーの日乃出金時が作ったパンです
『これも真っ白
こちらも米粉を使っているパンだ』
『なんと決勝のアンパン対決で、両者とも米粉のパンを選択してきました』
『いやまて!
早く食べてみろ、ただの米粉パンじゃないぞ』
『もちもちしている
このパン、すごい歯にくっつく』
『この弾力、おっぱいだ、おっぱいと同じなんだ
まるで赤ちゃんになったような気分にさせる』
『米の風味がさっきのとは段違いだ』
『ど、どうやったら
こんなパンが作れるんだ』
日乃出金時は語りだす
『米粉じゃない
おらぁ、米をそのまま使ったんだ』
『そんで、ただの米じゃない、一番弾力のある米を選んだ』
『それを、釜でしっかり炊いて、ご飯を作る』
『それをよくこねるて
弾力のあるペースト状にする』
『そこに、日乃出印の特製あんこを入れれば完成さ』
『こいつぁ、一度火を通しているので焼かなくても大丈夫なんだ』
『や、焼かないのか』
『焼かない、米を使ったパン
パンの常識をブチやぶる画期的な製法だ』
審査員は愕然とした
自分たちの狭いパンの常識にうなだれた
『そんな、でたらめなパンがあってたまるか・・・』
月見秀太は審査員のパンを一口かじった
『喉を通る時の感触も今まで経験したことがない
俺が、どんなに努力しても、お前は遥か遠くへ行ってしまう
日乃出金時、前の勝ちだ!!』
これを見ていた子供が言った
『これお餅やん、パンちゃうやん』
日乃出金時のアンパンは、まるでお餅のようなおいしさであった
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