南京ズボン

辞書・インターネットで調べたかぎり、南京ズボンの語自体は出てこなかった。

ただ、WikipediaのNankeenの項に次のような記述はあった。


‘Nankeen (also called Nankeen cloth ) is a kind of pale yellowish cloth originally made in Nanjing , China from a yellow variety of cotton, but subsequently manufactured from ordinary cotton that is then dyed.’

‘Trousers made of nankeen (singular or plural).’


なお、Wikipediaには書かれていなかったが、南京木綿(Nankeen)は中国産の高級綿織物の意もある。

また、色の表現としてNankeenを使用しているケースもあった。


調べた範囲で考えられる南京ズボンの語義は以下のとおり。

①(中国産の)高級綿織物のズボン

②(南京木綿のような)淡い黄色のズボン

上記以外の特定のファッションを指す可能性もある。


余談だがこの南京木綿は世界史的に重要な製品である。

十九世紀、英国は自国の工場製綿織物を清に輸出しようとしたが、質と価格で南京木綿に勝てず(インドのように産業を破壊することもできなかった)、南京木綿と茶の輸入により生じた銀の流出を防ぐため、代わりの輸出品としてアヘンを当てた。

なお英国は綿織物の輸出不振の原因を清の保護貿易にあると主張し、アヘン戦争の開戦理由のひとつとした。



『ぴったり身についた白いと、スミレ色やトビ色や赤のフロックを着こんだ富豪の息子たちは、ボワ・ド・ブーロニュで馬を乗りまわしていた』(岩波文庫「ジョゼフ・フーシェ」p127)

この場合の白が何を指すのかは不明。

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