お米の通帳
米穀通帳とは、配給米を購入するのに必要な通帳で、各世帯に交付された。
1941年4月米穀通帳配給制度の実施とともに設けられた。
まずは六大都市で交付され、翌年全国におよんだ。
1942年に食糧管理法で規定されたが、その後の食糧事情緩和により形骸化し、1982年の同法改正により廃止された。
米穀通帳配給制度は、米が不足していた戦時体制下の制度を引き継いだもの。
米穀通帳は、譲渡、貸与、偽造、変造が禁じられており、罰則があった。
世帯主と住所が記述されていた公文書であったため、健康保険証、年金手帳、運転免許証が取って代わるまで、身分証明書の役割を果たした。
1982年までつづいていたことに驚いたが、なにより、お米の通帳が身分証明書の役割を果たしていたとは。
戦中から戦後にかけて米不足が深刻だった時代は、外食や旅行の際に自分が食べる分の米を持参する必要があった。
そのために映画「犬神家の一族」の冒頭で、金田一耕助は那須ホテルの女中に米を渡しているのである。
参照:広辞苑、百科事典マイペディア
『お役所なら、「八十歳以上」と書いたからには、身分証明書、及び戸籍謄本二通、お米の通帳、住民票二通ぐらいの提示を求めるであろうが、ここ寿劇場ではそんなことはしない』(ショージ君のぐうたら旅行/東海林さだお/文藝春秋/位置№1784)
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