心が折れると、身が下がるという献身的行為

シンエンさま

心が折れると、身が下がるという献身的行為

折れたなぁ、心が。

これからどうすればいいかな、

脳裏を過る考えの森に彷徨う。


築き上げたかったなぁ、

いい物を。

だが、そりゃ上手く行かないなぁ、

世間の願望に従えなかった。


僕は僕でいる事

僕は僕を見上げる事

僕は僕だけを見つめる事。

僕が傲慢になってしまう事。


僕が僕と僕へ僕のためだけに、

僕の僕を僕に捧げる。

大した自信だった。


そんな理屈なんて、

気づくことさえできなかった自分は

自分だけを見てばかりいたからだ。


そんな理屈なんて、

心の折れる弱者の身になれなかった自分が

悪かったんじゃないか。


昔なら、


僕は思うよ。

自分がベストであると、

自分が人の好みになると。


そりゃ大違いだったね。

傲慢でしかない「自信」だったね。

「自信」を持てと言われる世界に、

僕は馬鹿のように信じた。


今なら、


自分が作った物でありゃ

とんでもないよ。

そうは思ってしまう。

心よりの口がそう言っているんだ。

誰にでもない、

自分にだけしか聞こえない声なんだ。


囁く低声の本音。

そんな臆病な自分だ。

そういう自信を持たないもんだ。


僕の作品のどこがいい?

僕の作品のどこが綺麗?

そもそも好評に

値するのだろうか。

人が時間を掛けて

僕の味方になってくれる

価値があるのだろうか。


よくわからない。

知りたい。

よくわからない。

言ってほしい。


よっぽど、手が痛い。

書き続けるせいか、

下手だから、一人一倍努力を

惜しまずに書き続けたせいか。


よくわからない。

だから、知りたいんだ。


そしてわかったんだ。

人が人に「自信を持て」でなく

人が人の背中を押してやると、

軽く敲いてやるべきなんだ。


言葉でなく、文字まで助けよう。


なんと美しい献身的な身だろう、

なんと美しい心が折れるシーンだろう。

心が折れる人の横で集まる人間の姿が

美しい。

オールフォーワンってやつだ。


いずれ、

あの心の折れた人間が

ワンフォーオールの人に。


そんな人を作るためだけに、

身を下げて、心の折れる彼らの

味方に、僕はなるんだ。


いずれ、

君も、ワンフォーオールの宝物さくしゃ

作り出すんだ。

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心が折れると、身が下がるという献身的行為 シンエンさま @shinennsama

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