タイムマシーンは出来ないけれど…

 先の章でタイムマシーンの制作も利用も不可能なことを述べましたが、その中で「絶対静止点」という概念を紹介しました。その「絶対静止点」に関しての補足です。


 宇宙はビッグバンにより膨張しているなら、「絶対静止点」という観測点が存在する筈です。

 絶対静止点とは、相対性理論の法則から逸脱した時空間です。


 相対論から逸脱した観測点がない限り、「見かけの観測」は事実と異なってしまいます。見かけは見かけにすぎないのです。


 例えば太陽系だけがビッグバンによる放射運動から逸脱していたらどうでしょう?地球は観測点として適当ではありません。


 太陽系だけが他の星系とは違う動きをしている、という可能性はどのくらいあるのでしょうか?


 恐らく、人類が誕生する可能性より遥かに大きいでしょう。


 太陽系だけではなく、一部の星系だけがビッグバンと異なる方向へ動いている可能性となったら更に増すでしょう。


 宇宙は単純かもしれませんが、その中で起きる現象は複雑で予測不能なものばかりです。


 地動説が一般化してから数世紀がたった今でも、人間は地球や太陽系を中心に動いている、という基本概念を捨てきれずにいられません。


 しかし、これまで解っていることから考えるとそれは間違いです。


「絶対静止点」とはあくまで概念です。ゼロの概念と同じです。存在はしません。しかし、存在するのであって、それを捉えることが出来たなら、ゼロの発見以上の功績でしょう。


 絶対静止点を捉えれば、恒星間旅行など簡単にできるでしょうから。

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