サッド、サッドギター
おごう☆のぶあき
第0話 プロローグ
「ちょっと来てよ」
「
「あーあーユタカ放りだしてボーカル替えちゃうのー?」
その子は腰まであるストレートの黒髪が印象的だったんだけどそもそもステージの上から向こうってまったく見えないんだよねライトがガンガン光ってるからさ。そいつがすごく目立ってて今にも歌えそうな気がしたんだよ歌うっていうのかな? 飛びそうっていうのかなその黒髪を翼みたいに広げてさ。細い腕を
「大丈夫。何か歌ってみて」
彼女はくりっとした大きな目でこっちを見るんだけども思ったより背が高いのかなってくらい見下ろされてる気分になったから負けないようにっていうかそもそも勝ち負けでもないんだけど「思いついたこと言ってごらんギターで弾いてみる。それに合わせて鼻歌でも構わない」とだけ伝えたら彼女は「こんな街にも雪が降る」と言ったんだよねそりゃどっかで聞いたことあるようなフレーズだったけれども突然尋ねられたにしちゃあ上々かなとも思ったから「OK」とだけ言って昨日ベッドの上でボツにしたフレーズを弾きはじめてベースがついてドラムがエイトビートを打って彼女は揺れはじめた。
それがすべてで最初だったもちろん最高とはいえないけども上手くいったというには刺激が強くて古くさい言い方だけどロックだよなって思えて気分はよかったんだもちろん客も揺れてたから悪くなかったんだろう。ハコのオヤジが「
この街のこのライブハウスでギターを持って立っていられれば大丈夫なんだ。
サッド、サッドギター おごう☆のぶあき @ogoh
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