魔法のステッキ

カゲトモ

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 コンコン。

 ノックの音が響いた。時刻は午後三時。約束の時間ピッタリだった。

「はーい」

「こんにちは」

 カロン、と音を鳴らして開くと、目の前には個性的なシャツを着た可愛らしい客人が居た。

「こんにちは、ルカさん」

 ルカさんはにっこりと笑うと、大きな荷物を持って入って来た。

「すみません、荷物置かせて下さいね」

「どうぞ」

 カウンターに薦めると手早くBOXを開け、細かい道具をいくつかと大きめの鏡を並べ出した。

「今年も無理をお願いしてすみません」

「いえいえ、少しでもお役に立てることがあれば。それに去年もお客様に喜んでもらえたので」

「それならいいんですけど」

「それで今年は?」

「ふふ、出来上がってからのお楽しみです」

 今日は一年に一度のハロウィーン。しがないバーのマスターでも仮装したって文句は言われない日だ。

「僕の為に時間を作ってくださってありがとうございます。勉強させてもらいます」

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