第1話 町を出たい

「早くこの町を出たい」

「冒険をしたい」

アリルはそんな気持ちでいっぱいだった。


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 この世界では16歳になったものは、生まれ故郷を離れなくてはいけないという決まりがある。例にならい東の村出身のアリルも16歳になりこの村を出ることになった。

しかし、どんな少年でももう故郷に戻ってこれないと思うと悲しくなるものだ。

「よーし、やっとこの村から出られるぞぉぉぉぉ」

アリルは、とてつもなく喜んでいた。


「おい、アリルおまえはなぜそんなに喜んでおる。そんなにこの村から出られるのがうれしいか。」


「よお、村長。ああ、うれしいよ。だって.....

この村俺含めて10人しかいないんだぞぉぉぉぉぉぉ」


そう、この村は家が4軒しかない、ほんとにほんとに小さな村だったのだ。

しかも、アリル以外の住人はみな年寄りだった。


「俺がみんなの飯を作ったり、洗濯したり、もうこんな生活いやだぁぁ」


「では、もういってしまうのか。アリルよ」


「ああ、昨日旅の準備もしたし、もう出発するところだ。」


「そうか.....では出発の儀式をするぞ。」

そう村長が今まで見たこともない険しい顔でいった。

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