終わらないファンタジー
下町ホテル
1
サドーラという世界ではさまざまな生き物が存在していた。
この世界に住む生き物の中では、優れた知能と生殖機能を持った人間が一番多くの割合を占めていた。
また、数では人間に遠く及ばなかったものの、魔力などの特殊な能力を持ったものたちが、人間に対抗する存在として勢力を振るっていた。
このサドーラには、メトリタスという地域があった。
この地に一人の初老の人間の男が、ラバに乗ってやってきた。
この人物はリヌクという男で、長身ではあったが、顔には深いしわがあちこちに刻み込まれており、頭髪は真っ白で、その髪は肩までかかっていた。
彼はラバから降りると、腰を下ろして傷跡だらけの手を地につけ、土をつかんだ。
土の色は、赤みがかっていて、死の風の影響がこの地にまで及んでいることがわかった。
「誰もいなくなったのか」とリヌクは悲しそうにつぶやいた。
遠くを見回しても岩と土ばかりで、到底人が住める場所には思えなかった。
数十分ほど歩くと、一本の木が立っている場所にいき着いた。
木とはいっても普通の木ではない。
葉は全部抜け落ち、紫色の木肌がむき出しになっていた。
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