第27話悲劇の前の日常風景

 ジェーン・グレイの処刑にまつわるポイントとは、カトリックとプロテスタントの争いに尽きますが、さらにピューリタン革命にまで発展してしまいます。

 時代はチャールズ1世。


 <チャールズ一世の幸福だった日々>

 幸福だった、と過去形であるように、この絵はチャールズ一世が処刑されたあとで、画家が想像で描いたのです。

 もちろん、資料を集めて描いたもので、作者はフレデリック・グッドール。

 彼は、チャールズ一世によって宮廷画家として勤めていたヴァン・ダイクの絵をウインザー城に数週間滞在して研究し、チャールズ一世とその家族の肖像画をもとに空想で描きました。


 → 豪華な遊覧船にのって、ウォーターゲートへ向かう一行。当時の流行だった黒づくめの衣装をきたチャールズ一世が画面の中央に。その右に赤いドレスを着た妃のヘンリエッタ・マリア。彼女は当時人気だったパピヨンを抱き、二人の王女がそばにいます。船に寄り添うように泳いでいる白鳥は、当時食用と珍重されていて、テムズ川の白鳥は宮廷料理に出されました(12C)足に足環をつけていない白鳥は全て、チャールズ一世のものとされていました。絵では水色のドレスを着た王女が餌を与えています。天蓋の中にいるのは、王政復古の際に、亡命先から帰って来て「チャールズ二世」として王冠をかぶることになった王子です。彼は「陽気な王」と呼ばれました。そのまた隣にいるのは彼の弟で後のジェームス二世です。


 <反省>

 絵にはいろんな意味があって、知らないと半分もわからないな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る