千年後

「千年後も君を愛している」だなんて 嘘くさいよな

3年後も怪しいもんだ

この世に永遠なんてないし 終わりは必ずくるもの

君が僕を嫌いになるかもしれないし 僕が君を嫌いになるかもしれない

そんな不確実さを払拭するために 僕らは言葉にすがるんだ

まるで言葉が確かな未来を約束するかのように


だからあえて言うよ 千年後も君を愛してる


「生まれ変わっても君を好きになる」だなんて ありえないよな

僕は他の誰かを好きになる

君も素敵な人と出会って その人と付き合うのかもね

君は優しく厳しいお母さんになって 僕も誰かに必要とされる人になって

でもそんな君を見るのは ちょっぴり寂しいかな

君の隣は僕でいたいと思うのは きっと僕の傲慢だ


だからあえて願うよ 生まれ変わっても君を好きになる


僕らは確かな未来欲しさに 大げさな嘘をつく

千年後の愛も 生まれ変わりの愛も

結局は不安を拭うための方便で そうであって欲しい期待で

永遠の愛だのとうそぶいて 最後には変わっていく


千年後に僕らは死んでるし 生まれ変わりもしない

僕らにあるのはちっぽけな今だけ

だから変わっていく君を受け入れて 変わっていく僕を受け入れて

それは悲しいことかもしれないけれど おかげ今が愛しくなる

この世界で確かなことは 君が僕の隣にいること


だから僕は精一杯 今の君を愛そう


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る