シュヴァリエ。
輪廻を繰り返して生まれ落ちたこの世界で
僕に与えられた名は君の騎士というもの
いまも耳もとに残る君の囁いた声の響きが
勇敢に立ち向かうためのこころを奮わせる
まっすぐに突き立てる刃の切っ先には
君の亜麻色の髪が映り込んで消えない
守り抜くためにこの剣を血で濡らすならば
それもまたひとつの本望と思えるのだ
君は僕だけの姫で誰にも渡しはしないと
この胸に誓いを立てて僕はひとり戦い抜く
すべては君へと還るただそれだけのため
君に見捨てられようとも君を愛するため
夜が君を食いちぎろうと牙を剥く時には
僕はこの身体を盾にしてでも君を逃がす
いくら血に塗れようとも構うことはない
それが僕にできる唯一の反抗の証だから
君ひとりを必ず最後まで愛し抜くと決めた
僕なりの覚悟の姿であり誓いの印なのだ
たとえ君が僕を蔑んでも厭うことはない
僕は僕の力をもってすべてを擲ち抗い
どこまでだってこの身体ひとつで駆ける
笑いたければ嘲笑ってくれてもいいのだ
そのくすんだ笑みすらも僕のこころを灯し
泥をかぶってでも生き抜く強さにするから
君にとって唯一無二の騎士であるために
僕は喜んでこの身体もこころも捧げよう
血も肉も骨も思いも願いも祈りもすべて
君ひとりだけのために使い果たしてみよう
その最後に本当に一瞬だけでいいから
君からの慈悲がもたらされることを信じて
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