異世界を救ってと頼まれたので救ってみることにした
因幡 天兔
第1話 ネトゲから異世界
俺こと
時刻は大体1時間前にさかのぼる。
━━━━1時間前━━━
この狭い1DKの家賃激安のアパートに俺は住んでいた。今日は会社の残業で帰りが夜中の2時であった。俺の勤めている会社『violence company』はとんだブラック企業だった。まぁ会社名がそれをものがったていたのだが、日給の良さと有給の多さがよくて入ったのだが、毎日最低12時までは仕事だし、朝は9時からの出勤である。そして休憩時間は昼休みだけ。そしてその昼休みもたったの30分だけである。いくら何でも短すぎるだろ!と一回会社内で切れたこともあったが後で上司に呼ばれ、大目玉を食らった。そして一日15時間の労働。こんなブラック企業誰かが訴えれば「労働基準法」にもとずいて絶対に勝てるのにだれ一人として訴えない。いや過去に1人訴えた先輩がいたそうだが、その先輩は次の日から会社に来なくなったしそうだ。そこから悪い噂が広まったりしてだれも訴えるに訴えられないらしい。まぁこんな俺の会社の話はどうでもいいんだ。この意味の分からない場所とは関係がないので。
俺は家に着くと、どんなに帰りが遅かろうが必ずお気に入りのネトゲにログインして『ログインボーナス』をもらうのを習慣付けていた。そして今日もいつものようにお気に入りのネトゲにログインしようかと思ってパソコンの電源をつけるといつものゲームアイコンがどこにも見当たらなかった。画面右下のメール受信欄に「1」と表示されているのが目に留まった。いやな予感がした。そして恐る恐る右下をクリックすると一つのウィンドウが出てきた。
内容はこうだ
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いつも○○〇をご利用の方にアプリのサービス終了のお知らせ
To:自分
昨日24時59分
〇〇〇をご利用の皆様
いつも○○〇をが利用いただきましてありがとうございます。
201711月25日をもちまして、数々の声援をもらい3年間もの間、皆様の娯楽の一つであった○○〇は本日をもちましてサービス終了させていただくことに鳴りました。長い間応援していただきありがとうございました。
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そう、お気に入りのネトゲが急なサービス終了である。これは以前にも体験したことがあった。その時も画面にアプリがなく、今回とおんなじだった。だから嫌な予感がしたのだ。経験したことがあったからなのか落ち込みは少しで済んですぐに立ち直れた。俺は2分ぐらい落ち込んでから、前の時のように新しくて、おもしろいネトゲをネットサーフィンしまっくて探しまくった。そしてかなりのネットサーフィンを繰り返し、面白いネトゲの広告を見つけた。何が面白そうだって?それはこのネトゲの売り文句である。
「君は世界を救ったことがあるかい?救ってみたいとはおもはないかい?」
これであった。この言葉に俺の中二病精神がくすぐられた。そしてすぐさま広告をクリックしてリンクにとんだ。
このネトゲの専用ホームページは、ほかのネトゲのホームページとは何かが違う。それは物語のあらすじやキャラクターが載っていないのである。そして大きな文字で先ほどの売り文句が画面の右から左へと流れて行っている。そして画面中央右によくある登録のテロップ。俺は好奇心からなのか自然と手が動き登録のテロップをクリックした。するとよくあるメールアドレスの登録やパスワードの設定の項目が出てきた。それを俺は流れ作業並みの速さで終わらしていく。そしてすべての項目が終了した。ここまでにかかった時間およそ5分。今までで一番早いかもしれない。そして項目を終えるとキャラクター設定の時間がやってきた。しかしおかしな点が二つ
ある。一つは顔を構成するパーツが一切なく、目の色や髪のの色などしか変更できないこと。
二つ目は名前設定のところに年齢設定もあるのだ。年齢なしってのもあるが。
まあそんなよくわからないのがあったキャラクター設定だったが、今一通りが終わった。終わったといっても大した量じゃなかった。そして一番困ったのが「年齢」だった。いくらゲームとは言え大幅な年齢詐称はきがひけた。けれど本当の年齢っていうのも面白みがない。そんなことで迷っていたら「年齢なし」というのを思い出した。そうだ「年齢なし」にしよう。多分あれは年齢不明ということだろう。そして俺のキャラクター設定が終わった。
名前:キョウヤ
性別:男
目の色:茶色
髪の色:黒
アクセサリー:なし
まあ普通が一番ってな!
そして最後にボーナスガチャというもの。よくあるゲームとかの【スキル】とか『ポーション』とかが出るボーナスガチャだろう。そしてガチャるをクリック。
一回画面が光る。そしてー
スキル:【創造】
『ポーション』×10
『地図』
これがガチャで出た結果だ。やっぱりほかのゲームのボーナスガチャと同じだな。
けど【創造】って何だろう?まあゲームを進めていけばわかるだろう。そして俺のキャラクター設定はすべてが終了した。そしてゲームのタイトルに画面が切り替わる。背景はどこまでも続きそうなみどり生い茂る野原。そして奥には暗い雰囲気の森。そして空には真白い大きな雲が流れ、雲と雲の間を鳥のようなものがとんでいる。いや訂正しよう。鳥ではなくドラゴンだ!そんなとても面白そうなゲームのタイトルを開いてしまったら寝るに寝れない。そして俺は『ゲームをスタート』押した。すると体が画面に吸い込まれるような感覚がした。
いや画面に体が吸い込まれた。
そして現在に至るわけである。
俺はあたりを見回した。辺りは、草!草!草!草しか生えていない。少し遠くには森と連ねる山々がそびえたっている。そして何より俺の今いる場所。そう俺が目覚めて今立っていう場所。そこは約3畳ほどの広さのフローリングだった…(まじかよ)周りの風景とフローリングがむかつくくらいに空気をよんではいなかった。
ゴツッ (いって!!)
突然空から辞書並みの分厚さの本が落ちてきた。その本には『取り扱い説明書』と書いてある。俺はこの景色と、この天から落ちてきた『取り扱い説明書』と書かれた分厚い本。俺は悟った。(ここ多分異世界だな)と。まあ当たっていなくても外れてはいないだろう。人を脅かすためだけにこんな大がかりのセット作る人なんているはずがないからな。俺は気になって本の1ページをめくった。
【取り扱い説明書】
■はじめに
こんにちは。キョウヤさん。ここはあなたの思っている通り、異世界です。そしてあなたには遠からず近いうちにこの世界を救ってほしいです。あえて何からかはいいません。ですが、こちらから一方的に頼むのは失礼だと思ったのでボーナスガチャで当てたスキル【創造】を差し上げます。このスキルは何でも無から造れます。使い方は簡単。まず創りたいものを思い浮かべます。ここで細部まで思い描くと、より完成度の高いものができます。例としては「ガラスの瓶出ろ」というのと「花柄の模様が彫られてるガラスの瓶出ろ」とでは出来栄えが違ってきます。こんな感じで細分まで思うことによって完成度の高いものができます。このスキルは例外を除いて何でも創れます。例外というのは生き物のことです。死んだ家畜などは出せますが、生きている家畜などは創れません。そしてキョウヤさんはこちらの世界では15歳です。そして歳をとりません。
これにて説明を終わります。ほかに気になったことはこの本に書いてあるので知りたいことを強く思って適当にページを開けばその内容が出てきます。こちらの身勝手ですいません。こちらの世界をお楽しみください。
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あー。やっぱりここは異世界なんだな。
とりあえずさっき習ったことを実践してみるか。
(コップいっぱいの水出ろ!)
すると少し離れたところにコップが出現して地面に落ちて割れた。ありゃ、失敗した。もう一度。
(コップいっぱいの水掌の上にでろ!)
今回はちゃんと出現場所を指定した。するとしっかりと掌の上にコップ満タンの水が出てきた。そしてそれを乾いた喉に通す。
ゴクッゴクッ
はぁー、生き返った。確かにちゃんとした水だ。飲めるし、体に害はなさそうだ。そして確かめたいことはもう一個ある。辞書のように分厚い本。心で思うだけで知りたいことがわかるとかすごいな。じゃあ手始めに
(この世界のこと)
そう心に思ってページを開くと『異世界ネーバス』という見出しで出てきた。
【異世界ネーバス】
ここは7つの国と57の島国でなりたっている世界『ネーバス』という。
そして
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あれ?なんか電子辞書なんかにある、関連ページに飛ぶようなものが最後に書かれていた。
(異世界渡来者専用説明書)
そう思って再度ページをめくると、また違う見出しで説明者が表示された。
【異世界渡来者専用説明書】
※ここでは主にSWとスキル。アイテムボックスについてご説明いたします。
ここは異世界『ネーバス』です。ここではSWという空中に現る半透明なウィンドウが存在します。このSWでは一般の方(ここではこの世界の住人を指す)はスキルの操作しかできません。そしてスキルに関してですが、これはこの世界に存在する魔物や、魔獣といったモンスターなどを倒したときにドロップアイテムという形で落ちることがあります。そしてこのスキルには様々なものがあり、現在この世界では種に分類されています。まずは生産属。これは何かを生産するときに使うスキルのことを指します。例として、機織りなどの時に使用されます。生産属のスキルはも持っいれば誰だって使うことができますが、鍛練することによって完成度が変わっていきます。二つ目は攻撃属。これはモンスターの討伐の際に用いられる、物理攻撃系のスキルのことを指す。攻撃属のスキルを使うには鍛練が必要です。三つ目が防御属。これは物理攻撃を防ぐ、あるいは軽減させるスキルのことを指す。これは鍛練することによって強化されます。四つ目は魔法攻撃属。これはモンスター討伐の際などに用いられる、魔法攻撃系のスキルのことを指す。魔法攻撃属のスキルを使うには鍛練が必要です。五つ目は魔法防御属。これは物理攻撃、魔法攻撃を防ぐ、あるいは軽減させるスキルのことを指す。
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だそうだ。まさか俺が異世界に来ることになるとは思わなかった。俺も本ぐらいは読んでいた。そして異世界ファンタジー系もいくつか読んだことがある。そんな俺の知識が今周辺の町を探せと伝えている。さて、どうやって探すかな?
そういえばこの本は知りたいことをなんでも教えてくれるんだよね。もしかしてさ…
(一番近くの町か村どこ)
そう思いながら本を開くと周辺の地図が出てきた。なになに?ここから道なり約5キロ先に『ダンゴ村』。逆側に進んで約8キロで『アルスーン』という中ぐらいの町。まずは村の方に行ってみようかな。なぜならいろんなファンタジー小説は村からスタートしてることが多いから。そして俺は今いる、こぶになっている丘を降りて少し舗装されている道に歩いて行った。そこからはあとは道なりに5キロ程度進むだけだ。俺は一歩一歩と歩を進めていった。
異世界を救ってと頼まれたので救ってみることにした 因幡 天兔 @Rabbit_usagi
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