あなたの心が知りたいの
すとらんべりー
好意のピース
「ゆきぃ~。テストどうだった?」クラスで一番仲のいい恵麻が終わりのチャイムとほぼ同時に聞いて来た。
「まぁまぁだったかな!」私は少し自慢気に答えた。
恵麻は少し頰を膨らますと「いいよねー!頭いい人はさ。自信あるならそう言えばいいのに」
「塔原さん頭いいもんな!俺今回結構ミスっちゃったわ」そう言って急に話しかけて来たのは隣の席の東堂くんだ。
「いや、別にそんなんじゃないよ。私も間違えちゃったところあるし」
東堂くんはクラスのいや。学年の人気者で周りには男女問わずたくさんの友達がいる。本当に尊敬する多分そういうオーラがあるんだと思う。
そしてその東堂くんをぼーっと見つめているのが恵麻。そのオーラの虜になっている1人だ。
「おーい東堂!テストも終わったことだしバスケしようぜ!」東堂くんと仲のいい人たちが来たみんな元気で明るい。学校でも目立つグループだ。
「おう!今いく!」東堂くんは上着をとると足早に出て行った。
「おーい。恵麻?生きてますかー?」
恵麻は東堂くんの前だと固まってしまう。好きな人の前だとそうなるもの。だそうだか私には良く分からない。
「あー!すごい緊張した。」恵麻ははぁ。とため息をつくと。「私も雪みたいに東堂くんと話して見たい。」とつぶやいた。
本当に恵麻は可愛いやつだ。好きな人とかそういうのは良く分からないけど。少し赤い顔で、頑張ろうとしている姿勢を見ると応援したくなる。
「塔原ー。ちょっといいか?」松平先生こと松潤に呼ばれた。実際ハゲだが、生徒からはそこそこ人気だ。
「ごめん恵麻~。ちょっと待ってて」
恵麻は私の椅子に座ってひらひらと手を振った。
「テストお疲れ様。いきなりですまないんだか文化祭の実行委員をやってくれないか?」松潤は目星をつけた人全員に断られ、私が頼みの綱らしい。だが、皆断るはずだ。なぜなら実行委員になればこの学校の文化祭の最大のイベントと言ってもいい花蜜祭(おうみつさい)に出れないからだ。私も楽しみにしている。
花蜜祭は良くある告白大会みたいなやつで毎年カップルが大量生産される。
前回は先生同士の告白もあり大盛況に終わった。
まあ、私には関係ない話だし、実行委員やってもいいかな。
「分かりました!やります。一番最初に集まるのはいつですか?」
「おお。ありがたい。塔原さんはほんとに偉い子だな!で、集まる日なんだか今日なんだ、用事があるかな?」
「いいえ、大丈夫です!」
「はい。4時5分に多目的室だ。よろしく頼むな」
「了解でーす」私は少し頭を下げてから恵麻のところに戻った。
恵麻に事情を説明し、今日一緒に帰れないことを言った。
「分かったよ。にしてもさ、うちの中学校って高校ぽい行事するよね。たのしいからいいけどさ」恵麻は不思議そうに言った。
「それはね。ここ、元は中高一貫でそこから別れたからその名残らしいよ。」
私の母もここに通っていたからこの蒼葉中学に関しては良く知っていた。
6時間目が終わり、恵麻と分かれてから早歩きで多目的室に向かった。
やばい、恵麻と話してたら時間過ぎちゃった!もう4時15分だ。怒られたらどうしよう。
幸いクラスと多目的室は近かったのですぐ着いた。が、もう話し合いは始まってしまっていた。
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