~占い師編~

タロット占いを試してみる

 あの人に言われて占い師になることを目指し始めた私。

 でも、どうすればいいのかわからないので、とりあえずマッチングアプリで出会った男の人たちに対して、タロット占いを試してみることにしました。


 部屋の中のテーブルの上にカードを広げて、本を片手に簡単な占い方法を覚えていきます。

 まずは一番の基本になる「ケルト十字法」というやり方をやってみることにしました。

 それぞれのカードの意味は、Webライターとして何度も記事を書いてきたので完全に覚えてしまっています。少なくとも22枚の大アルカナと呼ばれるメインのカードについては、ほぼ完璧といっていいくらいです。


 何度も何度もひとりでケルト十字法を使い、架空の人物の運勢を占います。時には自分の運勢も。

 それを何日も続けて自信がついたところで、実際に人に試してみることにしました。


 マッチングアプリで出会った人とリアルタイムでチャットしながら運勢を占っていきます。

 まずは軽い世間話から。

「最近、どう?」

「何か楽しいことはあった?」

「恋人とはうまくいってる?」

 などとと話しかけて、情報を引き出していきます。


 それに対して、

「まあ、ボチボチかな」

「そういえば、街角で買った宝くじで5000円当たちゃって、よかったのはそれくらいかな~?」

「彼女とは、あんまり会ってないな。倦怠期けんたいきってやつかも」

 といった感じの答が返ってきます。


 そこから本格的な占いに挑戦です!

 タロットのカードを丁寧に混ぜてから手の中でシャッフルして、適当な場所でカットします。ほんとうは相手の相談者さんにカットしてもらった方がよいのですが、インターネットを使ってのことなので仕方がありません。全部私がやります。


 10枚のカードを本の通りに並べていき、1枚ずつ表にしながら相手に説明していきます。

「ストレングス。力のカード。パワーがあり、自信にあふれている証拠。このままの勢いで進みましょう」と私がチャットでコメントを打つと、「おお~、なるほど」と相手から返ってきます。

「ラヴァーズの逆位置。恋人のカード。本来なら愛する者や愛に満ちあふれている状態を表しますが、この場合は逆位置なので恋人とうまくいっていなかったり、愛情が足りないことを意味しています。恋人がいるならば、もっと連絡を取った方がよいでしょう」

「ああ~、そうだよな。うん。連絡をね」

 と、こんな感じ。


 10枚のカードから読み解いた運勢を1枚ずつ伝えていくと、結構時間がかかりました。全部で1時間くらいかかったかも。もうちょっとスピードアップしないといけないかもしれませんね。


 でも、内容自体は結構好評でした。

 占いなんて女の子のするものかと思ってたけど、男の人にも気に入ってもらえたことで、私の中では大きな自信になったのです。


「よ~っし!この調子で、バンバン占ちゃうぞ!」と意気込んで、同じ手法で他の人たちにも試していくことにしました。

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