那須野ヶ原高校第5ダンジョン部はじめました。

ポムサイ

プロローグ

 ある日突然、世界中にダンジョンが現れた。あるものは地下、あるものは塔、またあるものは洞窟…。

 誰が何のために造ったのか、建造方法も目的も謎だった。

 各国は軍や警察機構を使い調査を行った。その結果、ダンジョン内には怪物が闊歩し、近代兵器や電子機器の無力化、その他様々なルールの存在が確認された。

 襲いかかる怪物たちを阻まれ多くの人々が倒れた。ダンジョン発生1年目の死傷者数は………0人。


……え?

0?

マジで?

これ、原稿間違ってない?…うん。…あ、そう。合ってるの?続きね、はいはい。


 最大の謎はダンジョン内での死亡は無傷の状態でダンジョン入口に瞬時に戻されてしまう事だった。その結果ダンジョンは安全な鍛練の場…というかアトラクションと言っても過言ではない場所となった。

 しかもダンジョンを攻略すると様々な能力や効果が得られるのも人々を駆り立てた。

 ダンジョンを攻略した人々の声を幾つか紹介しよう。


10代男性

「記憶力が上がって苦手だった漢字テストで100点が取れました!!」

 

30代女性

「出逢いがなくて結婚を諦めていたんですけど、素敵な人と結婚することができました。」


60代女性

「引きこもりだった息子が学校に行くようになりました。ダンジョンのおかげです…(泣)」


90代男性

「関節の痛みがなくなって曲がっていた腰がしゃんと伸びたわい。そういや目も良くなったし、耳も聴こえるようになったのぉ。それと(略)」


 そんなこんなでダンジョンに人々は殺到した。確認された世界全体のダンジョン数は200。その内、半数の100は日本にあり世界一のダンジョン国家となったのだ。

 そして、その100のダンジョンの更に半分の50は栃木県北部に集中していた。


 これはダンジョン攻略に情熱を燃やす高校生たちの青春ストーリーと見せ掛けた悪ふざけと恥ずかしくなるような若気の至りを鼻で笑って読み流す物語である。

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