キャラをベツモノに、個性を付ける⑩~ラノベという難点・怪~
続きです。
えー、漫画は情報オバケだ、というトコからね。
映画とかアニメは、声の部分がネックになります。聞き取れなかったり、即座に理解できなかったりしたら、視聴者はそこで置いていかれます。なので、難解な部分が多い映画なんかは何度か観ないと解からないとか言われます。
立ち止まれないのですな。(笑
片や、小説はと言えば、すべてが文字ですんで、とにかく読者負担が大きい。文字を読み、読解し、他の記述と照らし、推敲し、書かれた事柄を再構築する、という、かなり面倒な作業を要します。慣れないうちは、脳みその負担がとても大きい。
漫画は、その都度、読者の方で読むスピードを調整したり、読み返しが可能です。映画やアニメのように聞き逃しはない。
そして、些細な事柄なんぞは背景絵にしたり図解とかでサクッと済ませられます。すべてを文字でやるしかない小説では太刀打ちできない伝達の速さ、容易さです。
だから漫画というのは情報伝達においては最強なのですよ。およそ読者サイドにはネックと言えそうなものはないですからね。作者サイドは山積みでも。
これ、大量生産可能なシロモノだったらマジで小説は消えてておかしくない。(笑
小説が他のジャンルに比べて唯一絶対に負けない利点は、誰でも手軽に書ける、という一点ですもんね。もちろん、凝り出したら果てしないのはどれも一緒ですが。
始められるハードルが一番低いです、小説。だから現状、溢れてます。けどそれって凄いのですよ、世界規模で見た時のサッカー人口と野球人口くらいは差がつきますからね。書く人は、同時に必ず読む人でもありますんで。
話がズレましたが、最近の一部ジャンルの小説はしかし、漫画のあのバケモノじみた情報伝達を基準に書かねばならないという話なんですわ。それを可能にしたのが皮肉なことに、「メタフィクション」とか「内輪ウケ」などという、従来の小説においては忌み嫌われた下魚たちであった、ということなのです。
今までに解説した「内輪ウケ」とか「説明文調」だとかを思い出してください。そこまでして描写などを省いて省エネのごとくに削り倒した理由は、『漫画準拠』にあるってことなのです。
ありとあらゆる手段をもって、とにかく漫画の読み心地に近付けたのです。
漫画における背景なんて、人物の後ろにちょろっと描かれる風景で終わりです。視覚情報にして1コマ。それも人物とか台詞のオマケ。
それに対応したのが悪名高い『中世ヨーロッパ風の町並みだ。』です。
漫画と共通のモノサシで読んでいる読者にはこれで充分通じます。もっと短くしろよと文句言われるかも知れない。
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