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 私には悪魔が取り付いていた。それを夏、あなたが払ってくれたの。

 私を訪ねてきた夏を見たときにね、私の中の悪魔が私から離れていったんだ。ずっと私に取り付いていた悪魔がいなくなった。それがその瞬間に理解できたの。それから私はね、(夏がいる間の、この研究所での二日間の間のことだよ。今この瞬間も続いている時間のはずなのに、なんだかすごく昔の出来事のように思えるね。なんだか不思議だね、夏)きちんとその悪魔と距離をとることができるようになった。私は、ようやく自分自身を自分できちんとセルフコントロールすることができるようになったんだ。(私は私自身を取り戻したの)どう? えらいでしょ? (そうでもない?) 

 悪魔と取引をした私は自分の願望に没頭した。なにもかもを捨てて殻の中に閉じこもった。私は貝のようにじっと殻を閉じていた。私自身を閉じ込めていた。

 夏のこと、怒れないね。だって私もそうだった。注意することも、間違いを正すこともできないね。だから泣いているのかな?

(もしかしたら、きっとさ、みんながそうなのかもしれないね。生きている人はみんな、そういう病気にかかるのかもね)

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