124
遥が大きな四角いガラス版のようなディスプレイに指で触れると、真っ暗だったディスプレイの画面に白い光が灯った。遥はテーブルの上に置いてあるパソコンのキーボードをその美しい十本の指で叩き始めて、なにかの作業を始めた。
……しばらくすると、遠い海の中を一生懸命に頑張ってここまで泳いできたかのように、ぜいぜいと息を切らせて、ディスプレイの奥のほうから、こちら側に向かって、一匹の白いクジラがやってきた。そうやって、なんとかこの場所まで無事にたどり着いたクジラは、その航海の成功を祝福するかのように、ディスプレイの中を嬉しそうに元気に泳ぎ回った。
夏はその可愛らしい白いクジラの様子をじっと観察した。すると白い画面と白いクジラのコントラストに夏の目が少しちかちかした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます