32 12月24日 夜 ただいま。今、帰ったよ。
12月24日 夜 ただいま。今、帰ったよ。
遥の部屋に戻ると夏のお腹が鳴った。とてもいい匂いがする。遥は白いエプロンを身につけていて、てきぱきと出来立ての料理をテーブルの上に運んでいた。そこにはいくつもの家庭的な料理がきれいに並んで置かれている。
「どうしたのこれ?」夏は現在の状況がよく飲み込めない。
「晩ご飯だよ。食べるでしょ?」
「食べる」夏は即答する。
「これって全部遥の手作り?」
「そうだよ」と遥は言う。
遥の作った料理はどれもすごく美味しそうだ。遥は自炊ができる。反面、夏は料理ができないし、できるようになりたいとも思わなかった。夏は食べる専門だ。夏が椅子に座ると遥は温かいコーヒーを淹れてくれた。遥が夏にカップを手渡す。
「外寒かったでしょ?」遥は微笑む。どうして外出がばれたんだろう? やはり監視されているのだろうか? それとも体が冷えていることがばれちゃったのかな? やましいことはないから別にいいんだけど……。
「ありがと」夏はカップを受け取る。それから夏は少しだけうつむいた。照れてしまったのだ。こういうのは反則なんじゃないかと思う。すごく嬉しいけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます