レター

あの子がいなくなって

案外経ったんだね    君だけはまだいる

          勝手ながらに信じてる

それすらも幻想なんだって今更気付きました

  気の向くままに深淵を覗いたつもり

    僕は盲目になったんですか

      狂愛を喪った僕は

        情熱的な

         詩を


もう愛に満ちた詩を狂い綴れやしないんです

無味乾燥手紙は空っぽの中身で僕の真の姿だ


誰も僕の歌を聴かないのは誰もいないからで

僕以外世界は無音になってしまったせいだよ


それでも狂いそうになって描いていたけれど

僕もこんな言葉を好きになれなくなっていく


懐古主義じゃあなくたって過去は綺麗なもの

どんな薄汚れた深い傷たる過去も綺麗なんだ


僕は今を生きたいのに狂愛がどこにも無いよ

満たされなくて狂ったように愛されたかった


愛していたこの最後の原石を砕いてみたから

もう……、いいかな。夜に目を閉じても……

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