迷子

君はとうとう

迷子になってしまったね


左手に掲げた灯火は

あとどれほど保つだろう


悲しまなくてもいいんだよ

君を見つけられはしないけど


君はもう安らかでいられる

苦しまなくてもいいんだって


羨望と安堵

黒の樹海で静かに夢を編む


君は初めて

幸せになれるんだ


つかの間の幸福も

永遠に続くはずだから


黒の樹海で

見えるのはきっと全て幻さ


視界は黒に

閉ざされるのだから


君の幸福を願って

森に突き放せばよかったかな

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