極夜

何も見えなくなってしまった

何も見えなくなってしまった

何も見えなくなってしまった


極夜の闇に既に君は溺れた後

千夜の時を夜闇に捧げた君は


何も見えなくなってしまった

何も見えなくなってしまった

僕も見えなくなってしまった


自らの左目をナイフで刺した

かのように君は絶叫したんだ


何も見えなくなってしまった

何も見えなくなってしまった

光も見えなくなってしまった


陽光に手を透かせば血の色が

見えると歌は微笑したけれど


何も見えなくなってしまった

僕も見えなくなってしまった

君は見えなくなってしまった


黒い猫が前を横切ったような

朧気に右足が白かったような


何も見えなくなってしまった

僕は見えなくなってしまった

君も見えなくなってしまった


不運も不幸も幸運も幸福さえ

紙一重の気のせいで牙を剥く


何も見えなくなってしまった

僕が見えなくなってしまった

君が見えなくなってしまった


闇に絶望を見て千夜が終わる

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